 
キッズのみんな、こんにちは。サイエンステラーの大村正樹です。今週も東京浜松町にある秘密の科学研究所シークレットラボからお送りします「大村正樹のサイエンスキッズ」。さぁ、今回も恐竜の飼い方に迫っていきますよ〜。「そんなの、ありえないよ〜」と思っているかもしれないけれど、考えるだけで楽しいじゃん。だからみんなで「こういう恐竜はこうやって飼おう!」というお話で盛り上がっていきましょう。想像することがとても大事だと思います。お知らせの後、サイコーの登場で〜す。
 
今週のサイコーもサイエンスライターの土屋健さんです。こんにちは。
 
- こんにちは。 
 
土屋さんは、先週もご紹介しましたが実業之日本社から『恐竜の飼い方』という本を出してらっしゃいます。小さく「もしも?」という文字が書いてありますけれど、“もしも人間僕たちが恐竜を飼うことができるようになったら、こう飼うべし”という提言書です(笑)。もう本当に勝手な本でありまして、夢がふくらむばかりですね。
 
 
- はい。 
 
で、僕が北海道の広大な土地にあるつぶれた動物園をご紹介しますから、「いつかここで恐竜を飼おう!」というお話にまでなっております。最近、全国持ち回りでいろんなところで恐竜展をやっているじゃないですか。ちびっ子たち、集まりますよねぇ。
 
- ええ。 
 
お父さんから子どもまで楽しめる恐竜展。そこに行くと、「一番大きな恐竜はスーパーサウルス」と、もう定説になっていますよね。これ体長が33メートルぐらいあるといわれていますね。
 
- ええ、ええ。 
 
地球上で最も大きな恐竜のひとつで、首だけで12メートルあるといわれていました。さぁ、このスーパーサウルスを飼うにはどうすればよろしいですか?
 
- とにかく必要なのは、広い土地ですね。それこそつぶれた動物園などのレベルではなくて…。もっと広い土地が必要だと思います。北海道でいう広大な牧場のレベル。 
 
ほほぉ〜。牧場は牧場主の許可が必要なんで。じゃあ、北海道の未開の原野を僕がプレゼントします。
 
- それはありがたいですねぇ(笑)。 
 
原野、すごく安いんです。1坪何百円で買えるようなので、僕が木を伐採してスーパーサウルス用に用意します。どれぐらい原野が必要ですか?
 
- う〜ん、イメージはしづらいですが、まぁ地平線が見えるぐらいは欲しいと思います。 
 
わかりました、探しておきます。それぐらいの広さがないとスーパーサウルスは飼えない?
 
- そうですね。さらにいうならば、エサがおそらく今の北海道に生えている植物ではスーパーサウルスが食べられない。 
 
えっ、何を食べるんですか?
 
- やっぱりシダとかナンヨウスギを大量に用意する必要があります。 
 
スギの木ですか?
 
- ちょっと違うんです。みなさんがイメージするスギは三角形っぽいものだと思いますが、ナンヨウスギは恐竜時代からあるようなちょっと変わった形のスギです。 
 
ほぉ〜。
 
- そういうスギか、メインはやっぱりシダを用意する必要があります。 
 
シダ、北海道にあまりないですよね。
 
- そうですか。 
 
湿気の多いところにシダは生えていますので。
 
- そうです、そうです。 
 
九州とか屋久島などはシダが宝庫ですね、スギも。でもナンヨウスギはないですね。
 
- ナンヨウスギは、今はかなり限られた場所にしか生えてないですね。 
 
どこに生えているんですか?
 
- ちょっと記憶にないんですけれど…。 
 
日本にはもう?
 
- 日本にあるかどうかはすみません、ちょっと調べないと。 
 
じゃあ、飼えないじゃないですか?
 
- 別にタブレット状のやつをあげてもいいんですが1日100キロとか、それぐらいの量を用意する必要がある。 
 
「何といっても巨体なので大きなスペースが必要です。食事は1日100キロほどのナンヨウスギの葉などを用意しましょう」−これ、無理ですよ。
 
- がんばるしかないですね(笑)。 
 
恐竜の飼いやすさ10段階の星の中で、星3つという、ちょっと飼いにくいスーパーサウルスですね。無理だ、これ! やめとこう。
 
- ハハハハハ。 
 
星が一番多い、飼いやすい恐竜は何ですか?
 
- 星が一番多いのは、フルイタデンスという。 
 
フルイタデンス?星が9つついてる。
 
- 9をつけています。 
 
星10段階だけど、10をつけたものはないんですね。
 
- そうです。10段階で査定はしているんですが、なかなか10個つくのはいない。 
 
いない!
 
- なかなか難しい。 
 
先々週までザリガニの専門家の方がサイコーでいらしてたんですが、ザリガニも恐竜の一種だとおっしゃっていましたよ。「恐竜時代からザリガニのもとはいるんだ」ということで。
 
- そうですね。昔からザリガニみたいなのはいます。化石の中で、例えば始祖鳥の化石が産出するような場所でザリガニっぽいのがいたりします。 
 
へぇ〜。
 
- その時代から、いるにはいます。 
 
それを10つけてあげたいけれど、土屋さんの範ちゅうでは恐竜ではないということですね。
 
- そうですね、恐竜ではないですね(笑)。 
 
最も飼いやすいフルイタデンス。確認です、これはどういう特徴ですか?
 
- とにかく、ちっちゃい。全長で70センチ。 
 
あらっ!犬みたいなもんじゃないですか。
 
- そうです、そうです。体重も犬よりもはるかに軽くて、おそらく10キロは絶対ない。1キロとか2キロとか3キロ、そういうような軽量級ですね。 
 
ほぉ〜。
 
- ですから、もう感覚的には犬を飼っているような感じになると思います。 
 
飼い方は、「普通の家庭でも飼育のしやすい恐竜のひとつ。雑食性で柔らかい植物から昆虫までいろいろ食べる」。
 
- はい。雑食がポイントです。 
 
いいですね、願ったりかなったり。ちょっとかわいいですね、イラストを見ると。
 
- ハハハ、そうですね。 
 
飼いやすさということで、かわいらしくイラストが描かれているかどうかわかりませんが、ちょっとしたインコみたいな顔をしてます。
 
- そうですね。 
 
これは、首輪をつけたら散歩も可能ですかね?
 
- できると思いますよ。力もそんなに強くなかったはずです。 
 
これ(笑)、ヘテロドントサウルスという飼いやすさ7というのがいます。これはイラストでおしゃれな女性が襟にスカーフを巻いて、首輪つけてヘテロドントサウルスの散歩をしています。これもまぁまぁ飼いやすいですか?
 
- そうですね。7とかなってくると、はい。 
 
いわゆる攻撃性がないのが安心だということですかねぇ。
 
- そうですねぇ。何度もいうようですけれど“小さい”、これがおそらく大きなポイントです。 
 
なるほど。散歩できる恐竜もいるということですね。こういう夢は大事ですね。
 
- そうだと思います。 
 
やっぱりサイエンスライターというお仕事は、実際あり得ない話もそれっぽくできて、夢があっていいじゃないですか。
 
- そうですね。あり得ない話ではあるんですが、ひとつひとつ科学的に調べていくのがサイエンスライターの仕事なので、全部研究者に取材したり論文を調べたりとか科学の裏付けをもって話をすることが大事だと思っています。 
 
いわゆる論拠があるということですね。
 
- そうです、そうです。 
 
「もしもこの時代に恐竜がいたら?」という。科学的な学者さんたちの恐竜の性格分析なども含めて「人間が飼うならこうしろ」というお話ですね。
 
- そうですね。 
 
あと書こうとしている「もしも?」の世界はありますか?
 
- 「もしも?」の世界、まぁネタなので他の人にとられちゃうとまずいので(笑)。 
 
僕もいくつか「もしも?」があるので、今度こっそりと相談しようじゃありませんか。お時間ですね。また新しい本が出たら、ぜひ来てください。
 
- はい。 
 
今週のサイコーは、サイエンスライターの土屋健さんでした。ありがとうございました。
 
- ありがとうございました。 
 
いやぁ、2週にわたってあり得ない話、「もしも?」の世界の話だったんですけれど、僕はとても興奮しました。想像というか空想というか、こういうあり得ない話をさもあるような話に置き換えてイメージするという。これはたぶんキッズたち、得意なんじゃないの。こういう脳の働きを活性化すると、きっとすてきな大人になると思いますよ。いやぁ楽しかったですねぇ。それでは、もう夏休みに入ったね。来週も夕方5時半に会いましょう。キッズのみんなも楽しい夏休みを。バイバ〜イ!







 
  
 
   
  


