キッズのみんな、こんにちは。サイエンステラーの大村正樹です。今週も東京浜松町にある秘密の科学研究所シークレットラボからお送りします「大村正樹のサイエンスキッズ」。さぁ、9月になりました。9月3日は何の日か、わからないですよね。実はドラえもんの誕生日だって。しかもドラえもんが生まれるのは−“生まれた”じゃない、“生まれる”のは100年後の2112年の9月3日ということなので、 “ドラえもん誕生100年前”になります(笑)。面白いでしょ。実は今、ドラえもんをはじめとする人気漫画を科学で体験する展示が人気です。お知らせの後、サイコーが語ってくれます。
今回のサイコーは、ひょっとしたら番組6年の歴史で最年少のサイコーではなかろうかと。30歳?日本科学未来館の科学コミュニケーター、本田隆行さんです。こんにちは。
写真提供:日本科学未来館
※手塚プロの「塚」は、正しくは旧字体で表記します。
はい。こんにちは。よろしくお願いします。
今、未来館では『科学で体験するマンガ展〜時を超える夢のヒーロー〜』が、10月15日まで開催されています。「ドラえもん」や「鉄腕アトム」、「サイボーグ009」「怪物くん」「ひみつのアッコちゃん」。この世界を様々な科学技術を使って再現しているという。
そうなんです。
わかりやすいところで「ドラえもん」、今年の9月3日は誕生日の100年前。すごいですねぇ!
はい、生前100年。
何で9月3日生まれにしたんですか?
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何なんですかねぇ。何か思いがあったんでしょうか、9月3日に。
ねぇ、藤子・F・不二雄さん。ドラえもんの道具で、僕はタケコプターに関しては昔から矛盾を感じてたの。
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そうなんですか?
だって、頭にくっつけてヘリコプターにしても、頭頂部に風を送っても上がるわけないじゃないですか。
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はい、はい(笑)。
僕はひねくれ者だから、「こりゃウソだ!」と子どもの頃からタケコプターを否定してたんですよ。
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鋭いですねぇ。
ただね、黒板に病気の名前を書いてボタンを押すと、その薬が出てくるんですよ。それを飲むとすぐに治る。風邪とかネンザがすぐに治る。あれは、ちょっとドラえもんの中では欲しいと思ったんですけれど(笑)。
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現実とうまくマッチしてる感じですね(笑)。
はい。今、未来館でドラえもんのひみつ道具が体験できるということですね。例えば?
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未来館では2つ体験できるんですが、1つは「コエカタマリン」というものです。
コエカタマリン! どんなんだったかなぁ?
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覚えてますか?
声に出したものが固まるやつですよね。
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そうなんです。
それで、ジャイアンとかスネ夫にカツンと当たるやつですよね。
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そうです。のび太くんがドラえもんにせがんで出してもらった道具の1つで、コエカタマリンを飲んで声を出すと、その声の大きさや勢いによって形がポンと出てきて相手に当たったりすることになる。
ほぉ〜。
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それでジャイアンをこらしめたりもできる。
いわれてみたら、あったような気がします。これは未来館で再現できてるんですか?
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そうです。未来館では本物の声が形にはならないんですが、その代わりに前の画面の中で自分の出した声が形になって、そして画面の中を歩いているドラえもんやジャイアン、スネ夫にたまに当たったりすることもできます。
すばらしい! じゃあ、キッズが「ジャイアン!」とかいったら、ジャイアンという声が活字となってあらわれて画面上の誰かに当たったりするんですか?
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いろんな声があるんですけれど、その中で今回は4つほど声を選んでます。漫画の中にも出てくる「コラッ!」とか「ワーッ!」とか、「ハクション!」という声に合わせて出るようになってます。
へぇ〜。それ、いいなぁ。
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タイミングに合わないと、スーッと素通りしちゃう。
へぇ〜。コエカタマリンってドラえもんの道具でもありますが、僕の世代では「はじめ人間ギャートルズ」って。
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あぁ〜。
知ってます?
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とっつあんはえらいですね(笑)。
マンモス。
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あの肉はおいしそうだなぁと思ってます(笑)。
そうそう。
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アハハハハ。
それで、コエカタマリンの効果があるんですよ、ガーンって。「ワォー!」とか。
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石みたいに出てくるやつですね、文字が。
そうです。
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なるほど。
あとはどんなものがあるんですか?
©藤子プロ
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そうですね。もう1つが「らくがきじゅう」といって、相手の顔に銃をロックオンして、手前でそこに落書きをするとロックオンした相手の顔にピッと落書きすることができるという、離れて落書きすることができる銃なんです。
へぇ〜。
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その2つを未来館で体験することができます。
「コエカタマリン」と「らくがきじゅう」。
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はい。
その仕組みは何ですか?
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まずコエカタマリンから言うと最近声を文字にする、スマートフォンなどでしゃべっただけで文字になって打ってもらえる音声認識の技術があるんですが、それを使っています。
ふ〜ん。
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人の声をコンピュータが分析して、その内容をこの文字だろうと文字情報にして出すことができるものですね。今はもう実際に社会の中で使われ始めている技術です。
はい。
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これをちょっと使って、実際にみなさんにコエカタマリンを体験してもらう。
なるほど、そうか。僕、まだ二つ折りなんで…。
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なるほど。
ハハハ。確かにコマーシャルでやってますよね。
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携帯に向かって話しかけると認識してくれるのは、この技術を使ってるんですね。
そうか、みんな使ってるんだろうか?
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スタッフの方…(笑)。
何だ、ラボ内、感じ悪いみんな(笑)。
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ハハハハハ。
みんな、そうなの? ありゃ〜。そうですか、音声認識。
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そうなんです。追いついてください。
えぇ〜! らくがきじゅうは、その画面上にいる相手に対して落書きできるという。遠隔操作?
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そうです。
何の原理ですか?
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落書きは手元で描くんですが、実時間CG合成技術という技術を使っています。
えぇ〜? もう一回いってください。
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実時間CG合成技術。
めちゃくちゃ難しいですねぇ。
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リアルタイムでCGをうつし出すことができる技術。例えば、テレビのサッカーなどスポーツの試合でグラウンドに国旗が出てきたり、レーンに名前が出てきたりしますね。
ある。あと水泳も。
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そうそうそう。
プールで、はい。
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あれは本当はないけれど、今リアルタイムでやっている映像にCGを重ねていますよね。
はい。
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それを今回、ここでは実時間CG合成技術ということで使っています。
ええ。
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銃を向けて場所を合わせますよね。その段階でどこにCGをうつしたいかをリアルタイムで考えて、その上の手元でCGを描いちゃう。
ほぉ〜。
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ヒゲをつけてみたりして銃を撃つと、その場所に描いたものが出るようになる。
なるほどね。何かわかる気がする。あと、「怪物くん」の展示場もあるんですね。
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あります。
「怪物くん」って、何でしたっけ?
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「怪物くん」、何でしたっけ(笑)。
子どもの時、「怪物くん」の漫画があったような気がするけれど…。手が伸びるんだ、怪物くん。
©藤子スタジオ
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そうです。そうなんです。手足が伸びるんですが、さすがに人間は手足が伸びないですよね。
はい。
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その代わりに、今回はこの展示場の中で手が伸びる体験をしてもらおうと。
へぇ〜。ワンピースのルフィみたいなものですね、ゴムゴムの実で。
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今回は怪物くんということで。
実際はどういうふうに伸びるんですか?
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画面の下に手を入れるボックスがあります。それにスッと手を入れて、自分の手をスススッと伸ばしていくと、画面の中ではその手が何倍にも伸びてみえる。
あぁ、イメージできました。
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いたずらするUFOが飛んでいるんですけれど、そのUFOをグーッと伸ばしてつかまえることができてしまう。
これはどういう仕組みですか?
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これは画像認識、画像処理ですがボックスの中にカメラがありまして手の動きを認識して、移動した手の情報を解析し画面のほうにもっと伸ばして出しちゃう。
ふ〜ん。
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画面の中から特定のものとか、形みたいなものを検出する技術が使われています。
なるほどね、そうか。なかなかいい企画展ですね。
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ありがとうございます。
いろいろな企画展をやっていますけれど、非常にわかりやすいところから、キッズたちも興味を持ちますし。
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そうですね。今回は実際に使われ始めている技術だったり、新しい技術の中でも実際に社会に出てきている技術を使ってどこまで体験することができるかということをしているので、終わった後に家に帰ったりして「さっき見た」という技術があれば、それはそれでうれしいかなと考えています。
なるほどね。「ひみつのアッコちゃん」とか見てました?
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僕、妹がいるので見ていました。
本当ですか。生まれてないんじゃないですか?
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何回かバージョンが変わってテレビでやってたんですよね。
そうなんですか。ちょっと来週アッコちゃんの話を。
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いいですか?
はい。じゃあ来週は“アッコにおまかせ”と。
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ハハハハハハ。
今週のサイコーは日本科学未来館の科学コミュニケーター、本田隆行さんでした。ありがとうございました。
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ありがとうございました。
ほんとに漫画の世界って「こんなことできたらいいな」とドラえもんの歌にもあるんだけど、「あんなこといいな♪できたらいいな♪」って。現実になりつつあるお話もあるのかなという。みんなが大きくなる時は、漫画の世界が実現してるかもしれないですね。うらやましいなぁ。2学期も始まりました。前期後期の2期制のキッズは、今月末まで前期ということですね。勉強がんばろうよ。また来週も夕方5時半に会いましょう。バイバ〜イ!