(横浜市・赤トンボ)
私が子供の頃、父方の祖父は熊本で一人暮らしをしていました。
山口に住んでいた私は、2~3年に一度、
祖父の所へ行くのがとても楽しみでした。
私が20才になった時、初めて一人で祖父の所へ帰った時、
無口な祖父がいつになくおしゃべりになり、
父の子供の頃の話、亡くなった祖母の話を沢山してくれました。
私が山口へ帰る前日の夜中、祖父の部屋の灯りがついていたので、
何をしているのかな・・・と、そっと覗いてみると、
卵を一つ一つ丁寧に包んでいました。
帰る日の朝、祖父が私に「じいちゃん、こんな事しかできんけど」と、
菓子箱を差し出しました。中には、昨日の夜、
何枚ものちりがみに包んだ卵が並んでいました。
祖父の優しさが胸にしみて、「ありがとう」の言葉もなかなか言えませんでした。
投稿者 ごぜんさまスタッフ : 2008年05月15日 11:12
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