(さいたま市・ひとみん)
私の長靴の思い出は、幼稚園のころです。
母が長い入院生活を送っていて、
家も貧乏で着るものや履くものは、
ほとんど兄のおさがりでした。
幼稚園のころ、友達がみんなピンクや赤の、
かわいい長靴で登園してくるなか、
私は兄のお古のぼろぼろの黒の長靴で、
いつも近くのお店のウインドーに飾られている、
白に赤い水玉の本当におしゃれな、
映画に出てきそうな長靴に見とれる毎日でした。
お店の人もそんな私がかわいそうに思ったんでしょう、
「お店の中でよかったら履いてみたら?」と言ってくれたんです。
本当にうれしくてうれしくて。
お店の中をぴょんぴょんと飛び回ったものでした。
しばらくして、母が退院したころ帰宅すると、
玄関にその長靴があったんです。
両親は気づいてくれていたんですね。
本当にうれしくって、実はその長靴は、
今でも我が家の靴箱で大事に保管してあります。
投稿者 ごぜんさまスタッフ : 2008年05月13日 11:11
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