さいたま市のラジオネーム「星のお爺さま」から頂いたメールです。
今週の「くにまる・東京歴史探訪」は、池波正太郎さんの代表作「鬼平犯科帳」の、「旨そうなシーン」から抜粋した「鬼平御馳走帳」ですが、いやあ~、本当に「旨そうな御馳走」だ出てきますねえ。それも、「御馳走」と言っても、江戸の町民が拵(こしら)えたものが多いので、親しみを感じます。そんな中で、2日目・火曜日の「茄(ナス)の糠漬け」は、7歳の時に終戦を迎えた私に、或るシーンを思い出させてくれました。
それは、終戦からすでに2~3年は経っていましたが、東京の至る所には、まだ焼け跡があり、庶民は空腹を満たすのに、それは苦労したものです。ところが、そんな時代でも、我々子供達は、母親から「オヤツ」を貰っていました。その「オヤツ」が「糠漬け」だったのです。当時、私は東京・北区の赤羽に住んでいましたが、午後3時頃になると、男の子も女の子も「ナス」や「キュウリ」の糠漬けを咥えながら、家から出てきて、「おめんち(お前の家=うち)はナスか?」「おれんち(俺の家=うち)はキュウリだ」と、見せ合ったものです。まだ、銀シャリと称する白米だけのご飯はもちろん、麦飯すら満足に食べられなかった時代のことです。「ナスやキュウリの糠漬け」は、最高のオカズであり、オヤツでした。そして、今でも懐かしい「お袋の味」でもあります。「東京歴史探訪・鬼平御馳走帳」は、今は亡きお袋を、友達を、そして、あちこちにあった焼け跡など、沢山の事を、懐かしく思い出させてくれました。
投稿者 ごぜんさまスタッフ : 2007年08月07日 11:55
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