さいたま市の「氷いちご」さんからいただいたメールです。
今週の「東京歴史探訪」は、夏にふさわしい「ひゃっと(冷やっと)」と題しての、
江戸時代の、江戸庶民の「夏の過ごし方」が紹介されていますが、初日の「江戸の打ち水」を
聴きながら、私は子供の頃を懐かしく思い出しました。
当時、私達は東京下町に住んでいましたが、家風呂(うちぶろ)などという
贅沢なものはなく、夏はいつも行水でした。大きな盥(タライ)とブリキのバケツ、
そして洗面器などをフル動員して、そこに長兄と母が水道の水を入れ、カンカン照りの
場所に置くのです。
そして夕方。近くの町工場に勤めていた父が帰ってくると、父は下から順番に6人の
子供に行水をさせ、最後はヨシズで囲い、父と母が行水をしました。私達子供が行水をする時の水は、まだ温かく、とても気持ちのいいものでしたが、父と母が7番目、8番目に使う時は、
どの水も、かなり冷たくなっていたはずです。でも、父と母は「ああ、極楽、極楽」と言って、
本当に気持ち良さそうでした。そして仕上げは父の豪快な打ち水。大きな柄杓(ひしゃく)で掬い、屋根から家の前の道路まで、打ち水をするのです。やがてひんやりとした風が家の中に入ってきて、私達6人の子供は、ご飯を食べながら、その日の出来事を、代わり番こに、父に報告していました。今週の「東京歴史探訪」は、遥か遠い日の記憶を、昨日のことのように、蘇らせてくれました。
投稿者 ごぜんさまスタッフ : 2007年07月30日 12:07
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