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2010年04月28日
動物園の達人
今回、お迎えしたのは動物園の達人、
森由民さん
森さんは動物園ライターとして『旭山動物園物語』や
「動物園を楽しむ99の謎」など
日本中の動物園や、そこにいる動物のびっくり話などを書かれています。
本日は、GWのお勧め動物園について伺いました。
●さっそくGWに特にお薦めの動物園はどちらですか?
★上野動物園
たとえば、まず東園で昨年の11月に国内では6年9ヶ月ぶりに
繁殖に成功した「ゴリラの森」(赤ちゃんのコモモはもしかしたら体調に
よって展示していないことも)などを観覧して下さい。
みなさん、上野駅からつまり正面口から入る東園を見て
疲れてしまい、なかなか奥にある西園にも西園にも足を
延ばして「アイアイのすむ森」も御覧いただきたいと思います。
西園は千代田線の根津駅が最も近いです。
「アイアイのすむ森」には、メインであるアイアイも昼夜を逆転した
屋内展示(一箇所だけ明るいままにして巣箱で眠るアイアイを間近に
観察できるようにしています)で活発な動きを観察できます。
中でも2007年生まれのオス「ディミー」君の展示スペースは
比較的明るく、物おじしない彼のキャラもあって感度のいいカメラなら
撮影も可能です。
また不忍池を活かして、ワオキツネザルを放し飼いにした島
(水を挟むだけで檻やガラスなしで観覧できる。3月にも子供も誕生)、
マングース類では世界最大で国内では上野でしか見られない
フォッサ(見た目は「マダガスカルピューマ」とも呼ばれる
ヤマネコ的容姿)もお薦め。
また、こちらもお勧め
★多摩動物公園
世界最初のサファリ形式であるライオンバスのあるアフリカ園を含めて、
広々とした園内は、それだけに一日で回るという発想は避けた方が
よいと思います。
お好みを選んで回っていただけばよいのですが、たとえば、朝一で
アフリカ園の猛獣やキリンなどの動きのよいところを観覧し、
「チンパンジー村」を経て山沿いの園路を辿るとアカカンガルーを
間近に見られる放飼場などもあり(多摩は日本でも数少ないカンガルー・
ワラルー・ワラビーの大中小のカンガルー三類型すべてを見られる動物園です)、
そこからコアラや、空中のワイヤー(スカイウォーク)を移動して
木立ちの中に寛ぎに行くオランウータンまで辿っていけます。
●関東近県ではなく、森さんのお勧めのエリアがあるとか?
伊豆半島はいかが?
静岡県は日本動物園水族館協会加盟の動物園数で見ても、東京都(伊豆大島を
含め6園)を上回る7園を数えます。中でも伊豆半島はドライブや列車旅行を
兼ねて楽しめる園がいくつもあります。
まずは、こちら!
★伊豆バイオパーク
現在大規模リニューアルの大詰めで明日の29日から「伊豆アニマルキングダム」を
名乗ってオープンします。
今度のリニューアルでは動物たちを間近にしながらマイペースで観覧できる
「ウォーキングサファリ」やガラス一枚向こうにホワイトタイガーを
望みながら食事のできるレストランなど、聞くだけでも期待のふくらむ
新工夫が実現されるようです。
★伊豆シャボテン公園
日本では数少ない、そして最長の歴史を誇るチンパンジーの「学習発表会」を
行なっています。コミカルな演出に乗せた軽快なものですが、
一番注目したいのはチンパンジーの身体能力(綱渡り・竹馬など)を
見せることを主眼に、また、チンパンジーに対する負荷を極力減らすことを
意識して組み立てられていることでしょう。
わたしたちは、優れたトレーニング技術に支えられた演目を楽しみながら、
自分たちヒトとはちがうチンパンジーたちの能力のダイナミックな
魅力を知ることが出来ます。
★熱川バナナ・ワニ園
ここでしか出会えない動物として、ネパール等に棲むニシレッサーパンダ
(他園は別亜種のシセンレッサーパンダ。当園のレッサーパンダは
繁殖も成功を収めていて30頭以上が飼育されています)や
アマゾンマナティー(息継ぎついでに水槽のアクリル板に寄ってきて鼻を
押し付け、わたしたちを「観察」してきます)などもお勧めです。
●今後の予定は・・・・?
現在、『ナショナルジオグラフィック』誌の「情報交差点」という
ページで動物園紹介を書いています。今月末の発売号にも
イリオモテヤマネコ・ツシマヤマネコのことを書きました。
その他、動物園ガイドなども企画しておりますが、出版・掲載・出演などの
情報や、動物園見学記などは公式ブログに随時掲げています。
もう少ししたら内容を充実させて動物園情報サイトにつなげていくつもりです。
投稿者 たまなび : 2010年04月28日 17:41