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2009年03月19日
トライ魂
今回は、大・大人気の『ことわざシリーズ』第3弾!
そう、今回のテーマは・・・
『ことわざ』にトライ!
『二階から目薬』。
そして、『二兎を追う者は一兎をも得ず』。
数々の、歴史の『嘘』を暴いてきたこのコーナー。
その第3弾に選ばれたことわざは・・・
まな板の上の鯉。
もうどうしようもない、なすがまま、ジタバタしても仕方ない・・・
なんて意味で使われる慣用句。
何でもコレ、噂によると、
鯉はまな板の上に乗せられても、
ジタバタせずにジッとしていることからきているのだとか?
・・・という訳で、
今回は、本当にまな板の上にのせられた鯉は
本当にジッとしているのか。
検証して参りました。
今回取材にご協力いただいたのは、
葛飾は柴又にある川魚料理の老舗料亭『川千家』。
創業以来の歴史は、250年以上。
かの高松宮殿下もいらっしゃったという、
由緒正しきお店です。
今回は、そんな料亭の厨房のまな板と鯉をお借りしてのトライ。
なんと贅沢でしょうか。
しかも、ご対応いただいたのは、
お店の10代目に当たる天宮社長、そして、料理長の小磯さん。
(本当にありがとうございました!)
さあ、気になるトライの結果は・・・?
生簀からまな板にあげられた鯉は、
どんな反応をとるのか?
結果。
めちゃめちゃジタバタする。
そりゃそうでしょう。
ジタバタしますよ。
鯉も、死にたくないですからね。
では。
一体なぜこんな言葉があるのか?
これについて、とある専門家の方にお伺いしたところ・・・
こんなことをおっしゃいました。
「ちゃんと辞書を見ましたか?」
そう、その方によると、
「まな板の鯉ってジタバタするんですか?」なんて
質問が出てくることがそもそもナンセンス。
とのこと。
詳しくご説明しましょう。
全然難しい話ではありません。
広辞苑で『まな板の上の鯉』を調べると・・・
「まな板の上の鯉が料理されるのをただ待つしかないように、
相手のなすがままで逃げ場の無い境遇をいう」とあります。
つまり、まな板の上の鯉という言葉は、
「もはや料理を待つばかり、他に逃げようもない運命にある」という、
状態を表す言葉なんです。
要するに、その鯉がジタバタするかは問題ではなく、
避けることのできない運命にさらされているという状態が、
『まな板の上の鯉』。
本来、『まな板の上の鯉』という言葉に、
『ジタバタしない』という意味は含まれていないんですね。
たとえば、『もはや、まな板の上の鯉。ジタバタしても始まらない・・・』なんて
使い方をすれば正しい訳です。
(※上記のような例文を使っているうちに、
ごちゃごちゃになってきたのかもしれません)
いやあ、日本語って難しいですね。
ちなみに、『まな板の上の鯉』と同じ意味を持つ慣用句で、
『俎上の魚(そじょう・うお)』という言葉があります。
(※俎上は『まな板の上』の意)
そう、全く同じ意味の言葉なんです。
・・・ここで1つ、疑問が頭をもたげますね。
鯉がまな板の上でジタバタするのであれば、
それは他の魚もみんな一緒。
わざわざ、『鯉』という言葉を使って
比喩表現を作らなくてもよかったのでは?
ごめんなさい。
各所に問い合わせたのですが、
この謎だけはどうしても解けず・・・
リスナーの中でこれをご存知の方。
連絡、お待ちしております。
トライ魂にトライ。
してみて下さい。
投稿者 たまなび : 2009年03月19日 17:24