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2010年07月01日

遅くたって

　　　７月１日　　　ロッテ７−2ソフトバンク

まるで大リーグボール３号を見ているようだった。
渡辺俊の右腕が今日は冴えまくった。
きれいなしなりから鋭く解き放たれたボールは、
その腕の振りとは対照的に急ブレーキがかかる。
１００㌔を切るスローカーブはおなじみになった渡辺俊だが、
今日は９０㌔を切るスローカーブが何球もあった。
バッターも一生懸命ボールを打てるところまで
引きつけようとするけど、それでも待ちきれない。
さすがに大リーグボール３号のように、
バットから逃げはしないが、
バットの方がついていくことができない。
そんな状態だから、たまたまバットの芯に当たっても、
打球に力が伝わらず、
内野の間は抜けても外野の間は抜けていかない。
おまけに今日は丁寧さも感じる投球だっただけに、
ヒットは打たれても連打を許さない。
打球に力がないから長蛇も打たれない。
結局、８安打されて長打は９回の多村のホームランだけ。
連打もないから「いつ８本も打たれた？」と聞きたくなるくらい
危なげない完投勝利だった。
遅いボールでも強打者たちは牛耳れる。
こんな痛快なことはないし、なんだか勇気づけられる投球だった。

　　　　　　　　　　　　　　　上野　智広

投稿者 文化放送スポーツ部 : 2010年07月01日 23:51