今夜のマリーンズ

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2008年04月13日

チャンスはつかむためにあるもの

2試合連続のサヨナラ勝ちは、プロ初出場初スタメンの細谷圭の活躍なしにはなされなかった。
ゆうべの9時に1軍に合流するようにという連絡を受けて
慌てて荷物の中に「青松さんから借りていたもの」というファーストミットを「一応」入れてきたのが幸い。
試合前の練習中にファーストのポジションでのプロ初スタメンを告げられる。
「緊張あった」という序盤に、名鑑でもあまり評価されていない守備、
それも慣れないファーストの守備で再三にわたって難しい送球をさばいて
試合に「慣れてきた」ところで見せ場がやってくる。
1点リードされた7回2死2塁のチャンスで回ってきた第3打席で
グリンの「スライダー。ボール球の」に食らいつきライト前へ同点タイムリーとなるプロ初安打、初打点。
この瞬間、千葉マリンスタジアム上空で固まっていた勝利の女神のほほえみは1塁側に向けられ、
流れはロッテに。
打った瞬間「鳥肌が立った。毛穴が全部開いて視界がおかしくなった」というほど興奮した20歳以上に
喜んだのは、合流の報告を受けて「じゃあ、千葉にドライブに行くわ」という微妙な言い回しで
群馬から応援に来たご両親。
細谷本人も「そんな言い方だったから本当に応援に来てるとは思わなかった」というご両親は
ヒーローインタビューで息子の両親に向けられた「やったよー」という喜びの言葉を
フィールドウィングシートで聴いて、ファンと一緒に勝利のハイタッチの列に加わる。
広報担当者も「ファンに絡まれてるのかと思って」制止したほどファンに同化していた両親と
つかの間の喜びを分かち合った細谷のファームで鍛えられた色黒の精悍な顔立ちは、
最後の最後まで喜びで崩れたままだった。

                                                     上野 智広

投稿者 文化放送スポーツ部 : 2008年04月13日 16:35

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