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2010年04月04日

立川談春 大独演会「たちきり」


去る3月27日(土)、東京厚生年金会館におきまして「立川談春 25周年スペシャル独演会 THE FINAL たちきり」(主催・文化放送)が開催されました。

「ファイナル」というのは、談春さんの落語家生活25周年ツアーのファイナル公演でもあり、
また三月いっぱいで半世紀近くの歴史に幕を閉じ、クローズする「東京厚生年金会館」を
指したことばでもあります。

当日、談春さんは「粗忽の使者」「愛宕山」「たちきり」の三席を熱演。
「たちきり」は上方落語をベースに、談春さんが再構築した一席。
たんなる翻案ではなく、この落語家ならではのみごとな作品に仕上がっています。

(ここで細かい感想をかくつもりはないのですが、以前の演出では番頭の若き日の悲恋を
大旦那夫妻が知らないという設定になっていたのですが、今回はその不自然さを改訂し、
番頭も大旦那夫妻も同じ過去の記憶をいだいたまま、百日目を迎えるという自然な流れになって
いました。また上方版にはある親族会議の場面がオミットされているのも東京落語的な
すぐれた改訂です。関東の商家の場合、いかに大店の若旦那がふがいなくても、親戚一同
がそれを問題視するという設定がちょっと不自然だからです。関東の場合、上方ほどの本家意識
はなく、「山崎屋」程度の親家庭内対立が自然だと思います)

わたしは昼夜公演の夜の部を拝見しましたが、あれだけの大劇場をまとめあげるスケール感
は談春さんならではの力量。途中に流されたVTRの趣向なども含め、充実の独演会でした。

また東京厚生年金会館もおつかれさまでした!
(去年観たやしきたかじんのコンサートも良かったな)

松本尚久(放送作家)


◆当日の写真です◆Kouseinenkin.jpg


投稿者 落語 : 2010年04月04日 23:54