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2009年09月07日

浜松町かもめ亭 八月公演はコワオモシロイ会でした!

夏の終わりの8月28日(金)、文化放送メディアプラスホールにて第33回「浜松町かもめ亭」が開催されました。
今回は毎夏恒例の「怪談噺の会」。

番組は以下の通りです。

一、春風亭朝呂久 「出来心」
一、林家正雀    「真景累ヶ淵 豊志賀~お久殺し」
      中入り
一、三遊亭白鳥  「メルヘンもう半分」

まず中入り前は正雀師匠による本格怪談噺「真景累ヶ淵」。
三遊亭圓朝作の代表作であり、落語の長編怪談噺を代表する作品です。
今回はその中でも口演頻度が高い「豊志賀」の部分を中心に口演して
くださいました。
ちなみに、偶然ですが八月の歌舞伎座でも「豊志賀」が上演され、こちらは
中村福助丈の豊志賀、勘太郎さんの新吉でした。

正雀師匠の口演は「男嫌い」で知られる富本節の師匠、豊志賀が、若い弟子、
新吉によってはじめて男を知り、我を忘れて夢中になっていくくだりから、
女弟子、お久に対する疑念、嫉妬の感情の芽生えを細密に描いていきます。

続いて豊志賀に嫌気がさした新吉が、寿司屋の二階でお久と二人きりになる
ところへ豊志賀が姿を現す超常現象や、続いておじさん宅での駕籠の不思議、
豊志賀の死までを硬質なトーンで一気に口演。

その後、お久と一緒になった新吉が羽生村へ向かう途中で起きる恐ろしい怪異と
殺人は下座入りの芝居仕立てで口演。
幽霊のおそろしさと演出様式の面白さで、ホール内は大いに盛り上がりました。
八代目正蔵譲りの怪談噺を堪能させてくれた一席です。

中入り後は三遊亭白鳥師匠による「メルヘンもう半分」。
古典落語の「もう半分」を縦筋に、メルヘンの「ムーミンの世界」を横筋に
仕組み、細部は白鳥式のセンスで自由につくりあげた新作です。
噺の中身は古風な怪談なのですが、繰り広げられる奇抜な会話や
特異なイメージ(永代橋を行くムーミン、ミーの女郎奉公)にお客様は
大爆笑。からりと大笑いできる怪談噺はすごい!
見事な打ち出しの一席でした。

皆様、ご来場有り難うございました。

松本尚久 (浜松町かもめ亭)

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当日の写真です。
怪談噺を上演すると言うことで、田宮神社のお札を頂き、安全を祈願しました。
前座は、かもめ亭初登場の朝呂久さん。一朝師匠の五番弟子でいらっしゃいます。
迫真の高座を勤める正雀師匠、白鳥師匠です。

kamome200908.jpg


投稿者 落語 : 2009年09月07日 16:16