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2008年07月07日
浜松町かもめ亭「日向ひまわり真打昇進披露会」!
6月30日(月)、『浜松町かもめ亭』の第18回公演が、文化放送メディアプラスホールで開かれました。
今回は、このたび真打昇進をされた「日向ひまわり」さんの真打披露公演!
ひまわりさんの講談二席に、落語芸術協会の小柳枝さん、鯉昇さんが助演をしていただき、とてもおめでたい会となりました。
当日の番組です。
『三方原軍記』 日向ひまわり
『ちりとてちん』 瀧川鯉昇
『船徳』 春風亭小柳枝
仲入り
『清水次郎長伝から
小政の生い立ち』 日向ひまわり
(詳細なレポートは近く「浜松町かもめ亭」公式サイトにUPします)
ご覧の通り、今回は前座さんナシで、ひまわりさんが開口一番とトリを勤めるという特別プログラムでした。
まずはじめに語られた「三方原軍記」は、戦国時代の合戦をモチーフにした時代物のひとつ。この噺のように戦の様子や武将の描写を張り扇にあわせ、独特のリズムで語るくだりは通称「修羅場読み」と呼ばれます。
昔は講談というと、この「修羅場読み」のリズム、口調が一般に膾炙していたものですが、近年は上演頻度が低くなり(そのぶん世話物的な噺、一席物が流行ります)かえって遠い出し物になっています。
が、ひまわりさんも高座で言ってたとおり、講釈師の基礎技術はこの「修羅場読み」によって磨かれるものであるところから、高座に出すかどうかは別にして、いまでも玄人にとって重要な演目になっています。
ひまわりさんも家での稽古でこの「三方原」を読むことはあるものの(修羅場読みを稽古すると口が廻るようになるそうです)実際の高座で演じるのは数年ぶりだったそうです。
「先代山陽に入門してはじめて稽古したのがこの三方原でした」と仰っていたひまわりさんの、いわば原点とも言えるこの高座。現代人にとってはちょっと難しいのですが、貴重で、なおかつ意義のあったものだと思います。
(数多いひまわりファンからも「三方原は初めて聴いた」という声をいただきました)
トリの一席は「清水次郎長伝から小政の生い立ち」。
子供時代の小政が、清水港の親分次郎長に出会い、その門人に身を寄せるまでのエピソードです。
「野狐三次」などでもぴったりはまる、ひまわりさんの子供キャラの可愛さ、純真さ、生意気さが横溢し楽しい高座になりました。
最後には、小柳枝師匠、鯉昇師匠が高座に登場し、新真打ちの門出を祝し三本締めでお開きとなりました。
「浜松町かもめ亭」としては、はじめての真打昇進披露会。
みなさまのご来場を厚く感謝いたします!
写真・打ち上げにて
左から小柳枝師匠、ひまわりさん、美きえ師匠(かもめ亭下座)、鯉昇師匠。
記・松本尚久 (放送作家)
投稿者 落語 : 2008年07月07日 10:49