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2007年09月24日
第九回 浜松町かもめ亭 報告!
先週の金曜日(9月21日)第九回『浜松町かもめ亭』公演が文化放送メディアプラスホールで開かれました。たくさんのご来場、有り難うございました!
番組は・・・
『狸の札』 柳家緑君
『紀州』 林家たけ平
『目黒の秋刀魚』 立川談修
『鼓ケ瀧』 三遊亭圓窓
中入り
『二階ぞめき』 柳家花緑
・・・でした。
(17歳の柳家緑君)
前座さんの柳家緑君(やなぎや・ろっくん)は「かもめ亭」初登場。花緑門下の新人で、入門わずか五ヶ月です!17歳という年齢は、現在の落語界ではおそらくいちばん若いのでは?今回は短い時間ながら「狸の札」を楽しく聴かせてくれました。
(ともに袴のたけ平さん(左)と談修さん(右)です)
続くたけ平、談修のご両人はともに袴を着用しての礼儀正しい(?)高座でした。聴くところによると、たけ平さんは普段の高座でも袴を着けることが多く(三平師匠系統のみなさんはその傾向があります)、また談修さんは「目黒の秋刀魚」にあわせてのスタイルでした。東京落語では、お侍の出てくる噺、お裁きの噺、殿様の出てくる噺を演じるときは袴を着ける演出があります。(ただし、八代目文楽師匠や、三平師匠はいつも袴着用で、志ん朝師匠や小三治師匠はほとんど袴を着けません。演者によって幅があります)今回のたけ平さん、談修さんはともに確かな技術でしっかりと聴かせてくれました。
続く圓窓師匠は、西行法師が夢の中で和歌三神に教えを受けるというめずらしい噺、「鼓ヶ瀧」を口演。西行法師にまつわる伝説のひとつが落語化されたもので、品格の高い高座でした。
中入りをはさみ、トリの花緑師匠は前半とはうってかわって軽妙な廓噺「二階ぞめき」をたっぷり。吉原のひやかし(そぞろ歩き)が好きな若旦那のために、家の二階に原寸大の吉原をつくってしまうという幻想的な噺(ドラえもんなどによく出てくるミニチュア市街ネタの先駆とも言えるようなアイデア)を、さらりと描いてくれました。
ところで。今回は楽屋に次回出演の桂吉坊さんと、花緑門下生の柳家初花さんが遊びに(勉強しに)来てくださいました。出演者全員がそろった打ち上げはおおいに盛り上がり、一部の人たちは恵比寿方面に流れたという噂です。
(圓窓師匠 打ち上げにて)
(花緑師匠 美きえ師匠(三味線担当)そしてそのあいだの松本尚久)
(楽屋においでくださった吉坊(右)さん、初花さん(左)。初花先生は少し壊れています)
さて!
次回、第十回公演は10月19日(金)開催!
出演は三遊亭圓橘・快楽亭ブラック・桂吉坊・三遊亭司の皆さんです!
ブラック師匠は芝居噺「英国密航」を下座入り完全版で口演いたします。
乞うご期待!!
http://www.joqr.co.jp/kamome/lineup.html
松本尚久(放送作家)
投稿者 落語 : 2007年09月24日 11:43