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2007年04月23日
第4回「浜松町かもめ亭」の舞台裏!
先週19日(木)、文化放送 メディアプラスホールにて第4回「浜松町かもめ亭」が
開催されました。ご来場、ありがとうございました!
番組は・・・
立川こはる 『道灌』
桂雀喜 『貧乏花見』
五街道雲助 『お見立て』
柳家小満ん 『あちたり こちたり』
というものでした。
私は、舞台裏と客席を往復していたのですが、たいへん興味深いことが
ありました。
当会は、原則として事前に演目を決めておらず、演者さんの判断でネタを決めて
もらっています。(だいたいの持ち時間は決めています)
で、この日。
開口一番のこはるさんは、持ちネタが現在「道灌」しかないので「道灌をかけます」
と先輩方に報告していました。
次なる出番の雀喜さんは、当初「牛ほめ」という噺をかけようかと考えられていたのですが、
こはるさんの「道灌」を聴いて計画変更。
「道灌」と「牛ほめ」は<隠居が若者に知恵を授けるが、若者はそれを理解できず失敗する>
というつくりが似ているのです。
雀喜さんはいくつかの候補ネタを考えながら高座へ。
お客さんの反応を見て、季節に似合った噺でもある「貧乏花見」を演じてくださいました。
こんどは、雀喜さんの高座を聴いていた小満んさんが思案。
小満んさんは「花見小僧」という噺を準備されていたのですが、「貧乏花見」と「花見小僧」
ではネタが付く、と仰います。
実際は、「花見小僧」に直接の花見のシーンはなく、登場する小僧が、去年の花見の様子を
語るくだりがあるのです。
なので、「花見小僧」もありか・・・と思われたのですが、小満んさんは「道具屋をやろうか」
とつぶやきながら高座へ。
しかし、高座では大人の多いお客様の雰囲気を察知して、自作の夜遊びの噺、
「あちたり こちたり」を演じてくださいました。
このように、演者のネタ選びはまことに繊細なもので、ほかの演者との組み合わせ、客層の
雰囲気によって大きく変化します。
<ネタを事前に決めない>面白さがここにはあると思います。
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「浜松町かもめ亭」写真館
その1 開演前の設営準備。スタッフが照明の位置決めをしています。
何度も照明を上げたり下げたりしながら、慎重に決めています。
その2 レギュラー前座の立川こはるさん。
開演前の高座で、高座の状態や、座布団、メクリなどを細かくチェック!
その3 ロビーにて。スタッフの南りこさん。5月分のチケット前売りをしています。
今回は60枚くらい売れました!
その4 打ち上げにて。なんと! 小満んさんとこはるさんは、大学の先輩後輩であると判明。
小満んさんは農工大を一年で中退し、八代目桂文楽師匠のもとへ。
こはるさんは、農工大の大学院(!)を中退して談春師匠のもとへ。
ハテ珍しい対面です。
画面奥が小満んさん、手前でいつもよりさらに小さくなっている後ろ姿がこはるさんです。
報告・松本尚久
投稿者 落語 : 2007年04月23日 16:20