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2007年03月08日

しばらくのご無沙汰でした

 先週の月曜日、やっと念願叶って、大阪は天満天神
『繁昌亭』に行ってきました。昼席と夜席、半日繁昌亭
で幸せな時間を過ごさせていただきました。
 昼席はとっくに売り切れており、友人の協力を得て
裏技で手に入れた貴重なチケット。夜席は、事前にネ
ットで購入していたのですが、どうやら繁昌亭のチケ
ットは昼席から売り切れるようです。東京では、平日
の昼席で(通常の番組の時は)立見が出るというのは
考えられませんが、大阪は燃えておりました。昼席は
1時開演なのですが、12時前に繁昌亭に着いたら、す
でに長蛇の列。当日券もすっかり売り切れておりまし
た。
 初めての繁昌亭、確かに評判通りの素晴らしい立地
条件。日本一長い商店街の天神橋筋商店街から1本裏
手、大阪天満宮の裏(敷地は天満宮の駐車場跡地だと
か)、風情のある建物は、杮落としからまだ半年という
真新しい寄席です。
 席は自由席、補助席を入れても約250席という、落
語を演る定席としては理想的な大きさの寄席ですが、
入場料が2500円(前売り2000円)ですから、運営
は大変だろうと思いますが、上方では60年ぶりとい
う落語の定席の復活に寄せられる期待は大きいものが
あります。応援したいですね。
 さて、この日の番組ですが、期待通り、上方落語の
底力を感じさせてもらいました。米左の高座の時には、
睡眠不足がたたって居眠りをしてしまいましたが(失
礼なことです)、全ての演者に満足。小米朝、米左、
佐ん吉以外は皆初めて聴く人たち(少なくとも記憶に
はない)でしたが、どの高座も楽しめました。
 古今東西、女性噺家の第1号といわれる露の都の
『みやこ噺』(まくら噺、漫談)に出会えたのも幸いで
した。故・桂春蝶の子息・春菜は、将来が楽しみな逸
材と感じました。小米朝はここでも華のある高座で客
席を沸かせてくれ、銀瓶が、三枝・作『宿題』で爆笑
を誘い、坊枝の巧みな芸に感心し、繁昌亭では初めて
トリを取ったという文太の込み上げてくる熱い思いの
感動を共有することができました。文太さん、噺を終
えて涙ぐんでいました。(初日に聴けてよかった)
〜昼席〜
桂佐ん吉    『始末の極意』
林家卯三郎   『河豚鍋』
桂春菜     『ラジオ川柳』
桂米左     『一文笛』(だと思われる)
露の都     漫談
桂小米朝    『稽古屋』
笑福亭銀瓶   『宿題』(桂三枝・作)
桂坊枝     『火焔太鼓』
豊来家玉之助   太神楽
桂文太     『不動坊』
繁昌亭02.jpg
↑昼席の開場を待つ長蛇の列

 昼席に次いで、繁昌亭の夜席『月よう寄席』へ。昼
席が4時過ぎに終わり、6時半開演の夜席までの間、
繁昌亭に併設の喫茶店で休憩後、天神橋筋の商店街を
ぶらぶら。6時前に繁昌亭に戻ったら、もう長い列が
できておりました。
 この日は、昼席と同じ演者、銀瓶は演目も同じでし
たが、夜は夜でまた大いに楽しませていただきました。
小米朝の『くしゃみ講釈』は、『七段目』と並んで、
今や彼の十八番のひとつに数えられる演目で、期待通
りの熱演。文太の『小倉船』は、米朝師くらいしか演
る人のいない珍しい噺。私も米朝師のCDで知ってい
るだけで、今まで聴いたことのない噺。奇想天外、『地
獄八景……』ほどの笑いはないが、不思議な噺。珍し
いものを聴かせてもらいました。
 ところで、繁昌亭の客層ですが、やはりシニアの男
女が中心でしたが、カップルよりも、女同士、男同士
のグループや、若い女性のグループが目立ちました。
年齢層は東京と変わりません。
〜夜席〜
桂佐ん吉    『狸賽』
笑福亭銀瓶   『宿題』
桂坊枝     『阿弥陀ヶ池』
桂小米朝    『くしゃみ講釈』
桂米左     『河豚鍋』
桂文太     『小倉船』(竜宮界竜の都)

ベテラン花粉症患者の岩本でした

投稿者 落語 : 2007年03月08日 23:39