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2013年12月23日

伝説のダブルヘッダー「10・19」の連投

■12月23日の放送は・・・
  近鉄バファローズの 悲劇と栄光

 ゲストは先週に引き続き、元 近鉄のエースで、
 現 巨人2軍投手コーチの阿波野秀幸さん。

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 伝説の 10・19 Wヘッダー連投

 1988年 シーズン終盤、
 パ・リーグ首位西武を追いつめ
 残り2試合で
 優勝マジックとした近鉄バファローズ

 10月19日 近鉄優勝の条件
 最終戦ダブルヘッダーでロッテに【連勝】すること。

 近鉄が13日間 移動日なし 15連戦
 過密日程でたどり着いた
 ペナントレース最終局面で
 エース阿波野に過酷過ぎる登板指令が下った――。

 2日前(17日)の先発完投から中1日
 「どこかで1回登板機会がある」と考えていた
 阿波野投手は第1試合終盤、
 リリーフ投手の待機エリア
 ――内野スタンド内に(カメラマン席のように)
 区切られたスペース――で
 戦況を見守っていました。

 規定により延長戦を行わない第1試合――
 同点の9回表、近鉄が勝ち越さなければ
 西武の優勝が決まる瀬戸際で、
 梨田昌孝(前日本ハム監督)
 勝ち越しタイムリー!(近鉄1点リード)

阿波野 「決勝タイムリーを打った時は
      ネットを持って
      『梨田さ~ん!!』って言って
      2~3m先にはファン達で
     
(一緒に)ネットを揺らして…」


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 その後・・・
 「肩を作ってくれ」「今からですか?!」
 ベンチからの指示に戸惑う間もなく、
 出番が訪れました。

 ノーアウト1塁、カウント2ボールの場面からの
 スクランブル登板。

阿波野 「『ここなのか・・・』という
      アタフタしたものがあったんです」


 「やぶれかぶれ」の登板で無失点に抑え
 第1試合勝利を決めると、
 第2試合では、
 1点勝ち越した8回裏からの連投・・・。

阿波野 「この時は怖かったですね。
      『この1点を守らないといけない』」


 しかし8回は
 ロッテ・高澤秀昭選手に同点弾を浴び、
 9回裏には、セカンドへのけん制アウトの判定を巡る
 ロッテ・有藤通世監督の抗議9分間待つことに。

 当時のパ・リーグの規定
 試合時間4時間を越えた場合
 延長戦は新しいイニングに入らない
――
  (4時間以内でも延長戦は12回まで)
 このルールの壁に阻まれ、
 近鉄は延長10回表、無得点に終わった段階で
 事実上、逆転優勝の可能性が消滅――。

   残り2~3分を残し、近鉄ナインは
   むなしい10回裏の守備につき引き分けで終戦。

   試合に負けることなく、ペナント争いで
   わずか勝率1厘4毛差で西武に及ばず
   涙を飲むことに・・・。

 当時 高校3年生――、ケガのため病院のテレビで
 試合の行方を見守っていたガンちゃん

岩本 「あの時、近鉄が一層好きになったのは
     優勝がなくなってしまったバファローズが
     10回の裏で守備についてん。
     涙こぼれるのを我慢しながら
     最後まで野球を続けてる姿が
     ものすごく 胸打たれました」


阿波野 「加藤哲郎が僕のあとマウンドに上がって
      『投球練習いらないから“プレー”かけろ』
      って言ってるんです、主審に。
      だけど肩が出来上がってなかったんで
      フォアボールを出してしまって。
      でも、
      最後まであきらめなかったという・・・」


岩本 「これもドラマの裏側やわ~!」

 エースのリリーフ登板

 阿波野さんは「10・19」の翌年=1989年に
 パ・リーグ最多勝の19勝1セーブをマーク。
 近鉄は、前年の雪辱を果たすリーグ優勝を達成。

 リーグV決定の試合で“胴上げ投手”を務めたのは
 先発から中1日登板の阿波野さん。

 今年の楽天はエース・田中将大投手が
 リーグVと日本一の胴上げ投手になりましたが、
 シーズン中、先発ローテーションを守った投手が
 “シーズン初リリーフ登板”で
 “胴上げ投手”
となったのは
 1989年の近鉄・阿波野投手以来。

 この田中将大投手の登板について――

阿波野 「出てくるな、と思いました。
      監督も
      ピッチャー出身の星野監督だったので、
      最後“締め”に来るな――と」


岩本 「僕も『まさか、まさか』と思いながら
     『いや~、来たのか!』と思った時、
     阿波野さんを思い出したんですよ」


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 幻の日本一 祝勝会グッズは・・・

 1989年の日本シリーズで巨人を相手に
 3連勝4連敗で日本一を逃した近鉄――。

 阿波野投手は、日本一に王手がかかり
 ビールかけを行う祝勝会で使うグッズ
 (当時は水中メガネが中心アイテム)
 買い出しに行ったそうです。

阿波野 「そのグッズをカバンに入れたまま
      日の目を見ずに・・・」


岩本 「そのグッズ、今オークションに出たら
     大変なことになるよ!」


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 ▲当時と今―― 野球選手の帽子のかぶり方について語る

 古巣・近鉄バファローズへの想い

 阿波野さんがプロ入りし、
 エースの称号を背負って活躍した近鉄バファローズは
 2004年オフのオリックスとの球団合併により消滅。
 古巣の球団が「ない」ことについて伺いました。
 
岩本 「古巣がないわけですよね。
     近鉄バファローズに対する想いを
     改めてお聞きしたいと思っていたんです」


 阿波野 「(藤井寺)球場もないんですね。
      『寂しい』っていうのは、
      どのOBと話をしても言うんですけど
      “もう一度あのユニフォームを着たいな”
      という気持ちは強いですね」


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 近鉄バファローズ消滅後に新規参入した
 楽天イーグルス
 球団発足9年目の今年、日本一を達成。
 2013年現在、現役の選手がかつて所属したチームで
 「日本一」を成し遂げていないのは「近鉄」のみ。

阿波野 「日本一を成し遂げることができずに
      球団が消滅してしまったということなので
      本当に寂しいし、
      そういうシーン
(日本一)
      いつか来るんじゃないかな、と
      思ってたんですけどね」


岩本 「“語る”という意味では、私たち放送人は
     ずっと語り続けたいですね。
     “バッファローズ”じゃないですよ、
     “バファローズ”ですよ!」


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 今後の目標

 コーチとして、野球人として今後の目標を伺いました。

阿波野 「指導者ではまだまだ未熟なので
      勉強することばっかりなんですけど、
      今、ジャイアンツで若い選手を
      中心にやってますけど、
      力つけてきてるんですよ。
      入団から関わった選手が日本シリーズ、
      クライマックスで好投することを
      夢みてやってますんで、
      活きのいいピッチャーが出てきたら
      『あいつ
(阿波野)が見てたんだな』
      という形で見てくれると嬉しいです」


松島 「阿波野さんが指導された
     ピッチャーなんだな、と」


  岩本 「年齢、若返らないかな、オレ。
       指導受けたいな」


  阿波野 「厳しくいくよ!」

  岩本 「お願いします!(笑)」

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 文化放送では、球史に残る名勝負となった
 1988年 パ・リーグ優勝争いの最終局面
 「10・19 川崎球場 ロッテ×近鉄 ダブルヘッダー」
 特別番組を放送いたします。

 四半世紀の時を経た今、阿波野秀幸さんをはじめ、
 様々な立場で“伝説”に関わった人物の証言で
 あの長かった一日を検証します。

 放送日:2014年1月17日(金)19時~20時

 ■出演 :阿波野秀幸(近鉄) 金村義明(近鉄)
 ■出演 :牛島和彦(ロッテ) 高澤秀昭(ロッテ)
 ■出演 :渡辺久信(西武)
 ■出演 :前川芳男(パ・リーグ審判員)
 ■出演 :山崎裕之(文化放送 解説)
 ■出演 :戸谷真人(文化放送)
 ■出演 :中井雅之(ラジオ大阪)
 ■出演 :矢野吉彦(文化放送) ほか
      (  )は当時 / 敬称略

 25年前の当時をご存知の方も、
 新しい野球ファンの皆さんも
 川崎球場で、西武球場で・・・
 そして四谷の文化放送では何が起きたのか――。
 パ・リーグが日本中から注目された
 伝説の一日を検証する「10・19」特別番組
 どうぞお楽しみに!

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 ◆12月30日は 2013年 総決算!
       スポーツ 名場面大賞!!


 ガンちゃんが今年のスポーツ界を総括!
 感動の名場面ベスト3を発表!


 あなたが感動した今年のスポーツ名場面も大募集!

  メール:maido@joqr.net
  FAX:03 - 5403 - 1151
  スポーツ名場面の投稿をお待ちしています。

  12月16日放送分のリポートはこちら

投稿者 文化放送スポーツ部 : 2013年12月23日 18:30