2009年11月09日

息子がまぶしく見えた時

子供が画用紙に絵の具で描いたような真っ青な空を見上げていると
どこからともなく赤トンボが飛んで来ました。
校庭の特設ステージでは、制服を着た生徒たちが
荒削りだけれども元気いっぱいな歌声を披露しています。

秋真っ盛りの週末、息子が通う中学校の文化祭に行ってまいりました。
恥ずかしながら、彼が・・・

友達とバンドを組んで
ヴォーカルを務めたからです
(*´д`*)

僕は、客席の最後列でドキドキしながらその時を待ちました。

セットチェンジは自分達の手で行なうため
本番10分前に彼らが姿を現すと
男女半々の観客からビックリするほどの大歓声。
仲の良いたくさんの友達を前にして
他のメンバー5人は笑顔を振りまいているのですが
ヴォーカリストは、一人胸に手を当てて深呼吸しながら
強張った微笑みしか浮かべることができません。

そんなことは舞台裏で
済ませておかなきゃいかんっ
ヽ(*`Д´)ノ
バンドのフロントマンが
雰囲気に呑まれてどうするっ
(●`ε´●)
皆、お前の味方だよっO(><;)(;><)O

・・・と叱咤激励することが出来ない
僕のもどかしさは相当なものでした。
ステージに出てしまった以上
その壁は演者自身で乗り越えなければいけないのです。

チューニングも終了して、いざ本番。
ゆず【夏色】を歌っているのにとてつもなくキーが低く
前途多難を予感させます。
スピッツ【チェリー】も低すぎる!何と哀しき変声期。

ところが、です。
福山雅治【想】は、息子の低音がまさにドンピシャでハマりました。
特に、終盤の印象的な独唱パートである
♪ど~こまでもぉ美しくぅてぇ~♪のくだりに差しかかった時
“我が分身”の歌声は天高くとどろき
澄みきった秋の青空へスーッと伸びていくさまが確かに見えたのです。
その瞬間、僕は父親であることを完全に忘れて
純粋に心を打たれていたような気がします。
結局、音楽が好きでたまらない同級生の演奏に支えられ
彼は立派にステージを務め上げたのです。

客席から大拍手を浴びる息子が、とてもまぶしく見えました。
中2の時に、仲間と晴れ舞台に立った記憶なんて僕にはありません。
彼は、父親が経験したことのない世界を
覗いてきたんだな、と痛感しました。
これこそ、子育てに手がかからなくなり始める合図なのでしょうね。

今、大きな喜びとかすかな淋しさが入り混じっています(-.-;)y-~~~  

投稿者 斉藤一美 : 2009年11月09日 22:11

 

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