2009年11月24日
キャスティングの妙味
原作のファンの一人として、ようやく観て来ました。
映画版【風が強く吹いている】は
本物の箱根駅伝を知らなくても十二分に楽しめる作品です。
関東学生陸上競技連盟の全面協力で
ナンバーカードもそのまんまの本物を使っていました。
主演・林遣都クンの走りは
かつての五輪ランナー・上武大学駅伝部監督の花田勝彦さんも
『彼なら、間違いなく箱根を走れる』と太鼓判を押すほどで
一見の価値はあります。
ただ、僕の中で一番のハマり役だったのは
5区・山上りを担当する、橋本淳(あつし)クンです。
穏やかで折り目正しい“神童”を好演しています。
その母親役が和久井映見さん。
この2人は、NHK朝ドラの名作【ちりとてちん】でも
親子を演じていたせいか、会話の行間に
えもいえぬ情愛が滲み出ているのです。
レースシーンよりも心に残りました。
まさに、隠し味のキャスティング!
スタッフの方々、恐れ入りましたm(_ _)m
投稿者 斉藤一美 : 23:07
2009年11月23日
迷ったら、ラグビー
ライオンズ【ファン感謝の集い】の総合司会を務める合間に
文化放送ブースへ顔を出すと、リスナーの方々が
ちらほらと声をかけて下さいました。
その中で一番心に残った言葉が・・・
賛否両論はあると思いますが
僕は一美さんの実況が
大好きです(o^-')b
・・・というものです。
瞬間的にペコリと頭を下げて謝意を述べたのですが
時間が経つほどに、ジワジワとモヤモヤしてきました。
何だかんだ言っても
“否”の評価がまだ多いのか、と思い知らされたからです。
中高生向けの番組を担当していた当時
大先達である吉田照美さんとの対談で・・・
賛否の割合は7:3くらいがちょうどいいよね。
“賛”が多すぎてもダメだと思うなぁ。
今の斉藤は良くて6:4、下手すりゃ5:5。
ちょっとだけ大変じゃない?
・・・という極めて鋭い指摘を受けた経験があります。
以来、僕はずっと7:3を目指して地道にやってきました。
たとえ“否”があっても“賛”の圧勝だからです。
でも「賛否両論」と表現された時点で
悲しいかな、正反対の評価がつりあっている感じがありありですよね。
オレ、これからどうすればいいのかな・・・と考え始めた頃
ラグビー・早慶戦を中継するTVに目を奪われてしまいました。
慶應のタックルが、あまりにも
凄まじかったのです( ̄□ ̄;)!!
低く、強く、何より魂が込もっていました。
最後は早稲田のエース・山中に同点トライを決められますが
大学王者の執拗な攻撃を果敢に前へ出て、何度も食い止めたのです。
早稲田を倒すために懸命に練習してきた日々を信じていないと
あれほどの鋭い動きを見せることは絶対にできません。
慶應ラグビーのひたむきさに触れて、自分の愚かさを恥じました。
せっかく僕を勇気づけて下さったリスナーの言葉を
マイナスの意味で受け取る必要がどこにあったでしょうか?
僕はとかく不器用なタチで
何かを成し遂げるまでには、きっと時間がかかってしまうのです。
こうなったら、決して後ろを振り返ることなく
20年間に渡って積み重ねたことを信じて
ひたすら前だけを見つめていこう、と割り切りました。
生きるための指針に迷いが生じたら
自分の原点ともいえる部分に立ち返ってみると
意外に早く答えは出るものですね。
競技から離れて20年近く経つのに
いつも、僕はラグビーに助けられています('◇')ゞ
投稿者 斉藤一美 : 23:48
2009年11月15日
毎年恒例、赤面モノの告知です
このブログを始めてから、今月で丸4年。
さすがに容姿、特に体の大きさが以前と違ってきたこともあり
当サイト右上のメイン画像を代えるタイミングを
長らく見計らっていました。
しかし、しょせん僕レベルの話とはいえ
とうとう素敵な写真の数々に巡り会ったので
実は11月から新しいヤツに変更しておりますf(^_^)
【文化放送アナウンサーカレンダー2010】から
拝借させていただきました。
巨匠・森田研作カメラマンの手にかかると、皆、5割増で輝きます。
ホント、プロの仕事です。
この写真も、ページ右上の写真も
「3」の風船を持っているのは、3月に登場しているからです。
今回は、アナ全員の生声が収録されたCDも付いてきます。
僕は“加齢の幸せ”について語りました(≧∀≦)
こちらでご紹介した来年のアナカレは
例年通り【埼玉西武ライオンズ・ファン感謝の集い】が行なわれる
西武ドームの駅前広場に特設テントを設けて
文化放送スポーツアナウンサーたちが手売りいたします。
冷やかしだけでも大歓迎です!
若獅子たちとのふれあいの合間、お好きな時間にお立ち寄り下さい。
レオマニアの皆さんとお話をするのが、今から楽しみです。
11/23(月・祝)、ご来場を心よりお待ちしております<(_ _)>
投稿者 斉藤一美 : 01:15
2009年11月14日
文字通り、紅葉狩り
僕の愛車のリアウィンドウに張りついた紅葉・・・
・・・ってそんな都合がいい話はないですよね(^_^;))))))
箱根・富士屋ホテルでカレーパンを買うついでに
店先に落ちていた形の良いモノを並べて
強風で吹き飛ばされる直前に、大急ぎでシャッターを押しただけです。
こんな“ヤラセ写真”を思いついたのも
芦ノ湖に車を停めていたら、車の後ろがこのようになっていたので・・・
・・・どうせならとことん紅いヤツでもう1枚撮りたいなぁ、と
セコい欲望がムクムクと頭をもたげてしまったから。
だって、霧に煙る湖畔はこんなに色づいているんですよ!
だから「秋に遠出したぜぃ!」みたいな証を得たかっただけなのです。
自然と張りついた枯れ葉の写真で我慢しなければいけないのに
残り少ない命を燃やすように紅く染まる木々の葉は
僕の判断を少しだけ狂わせました。
箱根駅伝・復路の下見で来たのに、気分はほとんど紅葉狩り。
意味は違えど、文字通り、紅葉に心を狩られた気分です(;¬_¬)
投稿者 斉藤一美 : 23:43
2009年11月10日
悲しくて当然
遅まきながら、映画【THIS IS IT】を観に行きました。
“スムース・クリミナル”のイントロで・・・
宿直!
・・・と合の手を叫べるくらい
マイケル・ジャクソンが身近だった方は必ずご覧下さい。
超一級品のドキュメントフィルムです。
天に召される直前まで繰り返し行なわれていた
世界ツアーのリハーサル映像を軸にあっという間の2時間弱。
歌の途中で何度も“ダメ出し”をして
スタッフに細かい指示を送る姿に僕は唸りっ放しでした。
客席が明るくなると、あちこちで
女性ファンが目元にハンカチをあてがっていたのも当然です。
7、8割ほどの力しか出していない
マイケルの立ち居振る舞いに魅了される分
全身全霊を込めて本番に臨むはずだったキング・オブ・ポップを
二度と拝めない現実が、否応なく迫ってくるのですから(/_・、)
そういう意味では、この世に遺された名曲の数々を聴くほどに
悲しくなる作品ともいえます。
でも、今なら行けば逢えるのです。
もう一度観るべきかどうか、真剣に悩んでいます(-_-;)
投稿者 斉藤一美 : 23:31
2009年11月09日
息子がまぶしく見えた時
子供が画用紙に絵の具で描いたような真っ青な空を見上げていると
どこからともなく赤トンボが飛んで来ました。
校庭の特設ステージでは、制服を着た生徒たちが
荒削りだけれども元気いっぱいな歌声を披露しています。
秋真っ盛りの週末、息子が通う中学校の文化祭に行ってまいりました。
恥ずかしながら、彼が・・・
友達とバンドを組んで
ヴォーカルを務めたからです
(*´д`*)
僕は、客席の最後列でドキドキしながらその時を待ちました。
セットチェンジは自分達の手で行なうため
本番10分前に彼らが姿を現すと
男女半々の観客からビックリするほどの大歓声。
仲の良いたくさんの友達を前にして
他のメンバー5人は笑顔を振りまいているのですが
ヴォーカリストは、一人胸に手を当てて深呼吸しながら
強張った微笑みしか浮かべることができません。
そんなことは舞台裏で
済ませておかなきゃいかんっ
ヽ(*`Д´)ノ
バンドのフロントマンが
雰囲気に呑まれてどうするっ
(●`ε´●)
皆、お前の味方だよっO(><;)(;><)O
・・・と叱咤激励することが出来ない
僕のもどかしさは相当なものでした。
ステージに出てしまった以上
その壁は演者自身で乗り越えなければいけないのです。
チューニングも終了して、いざ本番。
ゆず【夏色】を歌っているのにとてつもなくキーが低く
前途多難を予感させます。
スピッツ【チェリー】も低すぎる!何と哀しき変声期。
ところが、です。
福山雅治【想】は、息子の低音がまさにドンピシャでハマりました。
特に、終盤の印象的な独唱パートである
♪ど~こまでもぉ美しくぅてぇ~♪のくだりに差しかかった時
“我が分身”の歌声は天高くとどろき
澄みきった秋の青空へスーッと伸びていくさまが確かに見えたのです。
その瞬間、僕は父親であることを完全に忘れて
純粋に心を打たれていたような気がします。
結局、音楽が好きでたまらない同級生の演奏に支えられ
彼は立派にステージを務め上げたのです。
客席から大拍手を浴びる息子が、とてもまぶしく見えました。
中2の時に、仲間と晴れ舞台に立った記憶なんて僕にはありません。
彼は、父親が経験したことのない世界を
覗いてきたんだな、と痛感しました。
これこそ、子育てに手がかからなくなり始める合図なのでしょうね。
今、大きな喜びとかすかな淋しさが入り混じっています(-.-;)y-~~~
投稿者 斉藤一美 : 22:11
2009年11月05日
剣が峰への挑戦
日曜日に全日本大学駅伝の実況が終わりました( ̄。 ̄)y-~~
膨大な準備を要するお正月の箱根駅伝を迎える前、今頃の1~2週間は
細かいことを何も考えずに済む時期なので
かえって腑抜けになってしまうこともありますが
おかげさまで、今年は
心に一本芯が通ったかのようにシャン!としています。
週2回、レギュラーで
ニュースを読んでいるからです(._.)
毎週火曜~金曜の【センパツ!】で
水曜・金曜担当の“キャッチャー”を担当しています。
平たく言えば、メインパーソナリティー
(水=濱本りかアナ/金=野口綾子さん)のアシスタントです。
彼女たちの重責を少しでも減らして
気持ちよく番組を進めてもらうためにも
生放送中、空いた時間を見計らって下読みしなければならない
ワイド番組のニュース読みは、やはりこちらで受け持つべきなのですが
恥ずかしながら、もう毎回、緊張の連続だったりします。
かつて、正午の全国ニュースを
女性アナとのカップリングで読んでいましたが
しっかりとした時間が確保されたコーナーで読むのは約10年ぶり。
午後6時・7時・8時と、1時間ごとに
毎回8本ほどのニュースを一人で紹介するのは初めての経験です。
ニュースなら手元に原稿があるし
滞りなくスラスラと読めればいいんでしょ?と思われがちですが
文章の意味を理解していないとかなりの恥をかきます。
何よりも、内容を見誤らないためには
それまでのニュースの流れを頭に入れておかなければならないのです。
極端な話、すでに皆さんが知っているはずの情報は
サーッと読み流しつつ
新しく進展した部分を、やや大きな声で
ゆっくり、ハッキリと伝えるのが基本である、と僕は考えています。
全ての言葉を同じペース、同じトーンで伝えていると
結局、どこが大事だったのかがぼやけてしまうからです。
その上で、このテクニックを駆使していることが気にならないくらい
自然に、柔らかく語りかけるように読める者こそが
真のニュース名人なのだと思います。
今の僕は、明らかに
自然な柔らかさが足りません(´ヘ`;)
だからこそ、来年3月いっぱいまで出来る限り追い求めていきます。
子供の頃からの夢だったアナウンサーという職業を極めるためににも
決して避けては通れない、ニュースという名の剣が峰。
険しければ険しいほど、登り甲斐があるってものですよね⊂(・∀・)⊃
投稿者 斉藤一美 : 22:39