2009年07月12日
別格の村上春樹
ふ~っ、やっと読み終わりました( ̄。 ̄)y-~~
400字詰め原稿用紙で“1984枚”という巨匠の力作を。
村上春樹の小説に触れたのは大学3年の時以来、ほぼ20年ぶりです。
世間の流行りに乗り遅れたくない一心で
【ノルウェイの森】を渋々読みましたが
主人公と寝た年上の女性の体が
とても痩せていたことしか覚えていません。
友人に「じゃあこれはどうだろうね?」と貸してもらった
【風の歌を聴け】【1973年のピンボール】【羊をめぐる冒険】も
三部作の流れで意外とスラスラ読めましたが
ストーリーはもちろん、心に残った場面さえ
何一つ思い出すことができないのです。
こんな男が、さらなる
“村上ワールド”にのめり込むはずもありませんでした。
でも【1Q84】を読破した今なら分かります。
当時の僕はあまりにも青すぎて、ただ単に
「どこかハッキリとしないもの」を
受け入れる感性に欠けていただけなのです。
【1Q84】の面白さには、かなり驚かされました。
ではどこが面白いのかというと・・・
面白いところを
上手く説明できないところが
面白いのです(´_ゝ`)
喋り手のクセにナンだチミは!という
僕にとっては屈辱的なお叱りの声をいただいたとしても
説明できないものはできないので・・・と
ここは割り切って頭を下げざるを得ません。
とにかく話の続きが気になって仕方がないのです。
それこそ、第1巻の冒頭からずーっと、一度も緩むことなく。
ここまでは僕が大好きな東野圭吾・荻原浩・川上健一と一緒ですが
村上春樹の描く世界はやや小難しいという点で袂を分かちます。
なのに、最後の最後まで
夢中でページをめくりつづけてしまった事実にただただ驚き
「で、この続きはどうなるの?」という結末を提示されて
底知れぬ余韻のようなものを簡単には拭えない今日この頃・・・
村上春樹だけは別格なんだ( ̄~ ̄)
・・・と思い知らされた気分です。
甲子園球場での仕事が終わり
一人、ホテルのそばで遅い夕食を取りながら
第1巻を読み耽っていると、若い女性店員が近づいてきて
『今、どのあたりですか?』と訊いてきました。
「青豆(あおまめ。ヒロイン)が柳屋敷を訪ねるところです」と答えると
彼女は『そうですか』と満面に笑みを浮かべながら・・・
その先、教えてあげた~い
ヾ(´ω`=´ω`)ノ
・・・とかすかに身をよじらせているのです。
僕が結婚する前なら、この後絶対に一歩踏み出したであろう
人生の分岐点とも言える絶好のチャンスでした(・∀・)
一昨日の神宮球場。
放送席がお隣りという縁もあって
有楽町にあるライバル放送局のKアナと、第2巻に出てくる
「主人公・天吾が夜空の月を眺めるシーン」について語り始めた途端
僕ら2人の間にいたバイトの男の子が突然イスから立ち上がり
自らの両耳をふさぎ始めたのには笑いました。
まさにこれから読もうとしているのに
全くお前ら中年ってヤツは(-_-#)
・・・という態度だったので、おかしいのなんの(o^-')b
とにかく、日本中でおそらく同じ本を読み、読もうとしている状況の凄さを
イヤでも肌で感じてしまいます。
あ、そうそう。大阪の女性店員との会話の続き。
僕が調子に乗って・・・
実写化するなら
不思議少女・ふかえり役は
堀北真希がピッタリだと思うのですが、どうでしょう?
・・・と訊き返すと・・・
私は宮﨑あおいの
イメージなんですけど。
・・・の一言で、彼女の心の扉は完全に閉ざされました。
まぁ、しょせん僕はこんなもんですわ(≧∀≦)
投稿者 斉藤一美 : 2009年07月12日 20:24