2009年05月09日

どうせ「野球バカ」ですから

2年ほど前、毎週土曜夜の
【斉藤一美 ラジオかぶりつき】を担当していた頃の話です。
すぐ後の番組【アニスパ!】を紹介する時に、多少憎まれ口を叩いたら
直後のオープニングトークで、パーソナリティーの浅野真澄さんが
その仕返しとばかりに僕のことを・・・

あの野球バカ(●`ε´●)

・・・と一刀両断したことがありました。

今だから言えることですが、当時の僕は
「オレの喋りの守備範囲は野球だけじゃないんだ!」とばかりに
自分の冠番組で一旗上げようと躍起になっていたもので
瞬間的にカチン!ときてしまったのでしょうね。
気がつくと【アニスパ!】のスタジオに乱入していました。
そこで叫んだ一言が・・・

ちょっと待て!
オレはプロレスだって
大好きなんだぞっヽ(*`Д´)ノ

・・・と余りにも的外れな反論だったので
相方の鷲崎健さんからも失笑を買ったことは忘れえぬ思い出です。

でも、そこで気づかされました。
僕は、どんなにあがいても
結局、野球からは逃れられないのだ、と。

斉藤一美=野球実況「専門」のアナウンサー、という固定観念を
振り払おうとすればするほど
向こうも後をつけてくるような日々を長年繰り返してきた中で
浅野さんが発した「野球バカ」という暴言に、僕は完全降伏したのです。

そして、愕然としました。
僕は、人から「野球バカ」と言われるほど
野球のことを知らなかったからです。

以来、完全に開き直りました。
どうせ「野球バカ」と思われているなら
徹底的に野球を知り尽くした喋り手にならないと
男がすたるってものです。
シーズン中はガムシャラに野球のことだけを考えて
過ごし続けていたら・・・あら不思議。
それまでの、ムダに早口でまくし立てていた実況から脱皮して
ある程度の緩急をつけた実況を、少しづつ覚え始めたのです。
おかげさまで、年々、野球を伝えることが楽しくなってきています。

そんな矢先、僕を「野球バカ」と罵倒した「野球オンチ」の浅野真澄さんが
ヤンキース・松井秀喜選手の絵本を出版する、というじゃないですか!

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野球を知らない人にそんなことできるはずがない、と高をくくり
半信半疑で読んでみたら・・・

荒唐無稽でとても面白いのです(≧∀≦)

作者本人の面白さは、すでに番組で証明されていて
頭の回転が抜群に早い鷲崎健さんとの掛け合いは
文化放送の全番組の中でもトップクラスの爆笑度を誇りますが
やっぱり、本当に面白い人は何をやっても面白いのですね(*^.^*)

野球の魅力に気づいた(はずの)“先生”を
プロの実況アナウンサーがひたすら褒めちぎる、という
(バカバカしさ全開の)企画が、今夜の【アニスパ!】で放送されました。
アニメとスポーツの世界を掛け持つ唯一無二の存在である
長谷川のび太アナウンサーが番組に呼ばれるのは
自然なことですが・・・

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僕にまで声がかかったのは、言うまでもなく
“野球バカのスタジオ乱入事件”の流れがあったのでしょうね。
まさに、瓢箪からコマ。ありがたいことです。

鷲崎・浅野コンビの、さながら夫婦漫才のようなトークに
かえってこちらの方が笑わされて、いい気分で家路に就こうとすると
JR浜松町駅の名物までがこんな格好をさせられていて
とてもホッとしました。

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決して僕だけではありません。
世の中は「野球バカ」で溢れていますヾ(^▽^)ノ

投稿者 斉藤一美 : 2009年05月09日 23:59

 

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