2008年02月13日
猫背に見た尊厳
今日の読売新聞くらし面<人生案内>に掲載されていた相談です。
以下、内容をかいつまむと・・・
TV番組で、有名な占い師が名前の字画について
「早死にする」と断言していた画数が、まさに私の名前と同じ。
数年前にがんの手術をしてから人生観が変わり
他人とは将来の話や先の約束をしないようにしている中での
絶望的な占いの結果に、やはり、と思ってしまいました。
こんなつまらないことにイラつく自分が嫌です。
・・・というものでした。
これに対し、心療内科医・海原純子氏は
ものを書く仕事をしている自身の行動に照らしながら
以下のように答えていました。
締め切り日が設定された原稿は、数日前になったとたん
なぜかキチンと仕上がるものです。
そんな時は、1日24時間に
その数倍の価値があるかのように集中できます。
「死」は人生の締め切りのようなもの。
必ずあるのに日付がわからないから難しい。
でも、その締め切り日に向かって
時間の質を上げていくことが大切です。
もし占いで短命だというのなら
いい質の時間を過ごせる運命を持っている、と
胸を張ってはいかがでしょう?
一番ムダな時間は、イライラしたり悔やんだりすることです。
この回答、映画L change the worldを観た後だけにかなり共感できます。
デスノートを巡る夜神月との死闘を制したLの命は、残り23日間。
“締め切り日”が設定されているだけに必死です。
『私には、これ(=探偵業)が全てですから』とナイーブにつぶやき
慣れない子守りから全力疾走まで強いられつつ
彼は最後まで職務を全うします。
Lの猫背に、人間の尊厳が見える作品でした。
マンガなら【イキガミ】。
ドラマでは【ロス:タイム:ライフ】。
公開を控えた映画なら【死神の精度】。
『残された命はあとわずか』的な作品の発表が
まるで一つのブームのようですが
【L】は、間違いなくトップクラスの面白さです。
小説版をチェックした後
もう一度コミックス全12巻を熟読したくなりました(〃▽〃)
【デスノート】はマンガと映画では異なるエンディングで
どちらも面白さのレベルが高い、稀有な作品であるうえに
“もうこれ以上の映画化は不可能”ってところに
強く惹かれてしまいます!
投稿者 斉藤一美 : 2008年02月13日 23:03