2007年03月07日
なるほど・ザ・色紙
今朝、吉田たかよしさんと神原智巳(かんばら・さとみ)さんに
サインを頂きました。ある意味、貴重です(・∀・∩)
ところが、中日ドラゴンズ・落合監督に色紙を差し出すと
きっとこうなってしまう!というイメージ写真をお見せします。
『表はこっち』と言いながら、差し出された色紙を引っくり返して
金粉のついた方にペンを走らせるものだから、皆、ビックリ。
これは知る人ぞ知る“オレ流”の有名なエピソードで
確か、現役時代から話題になっていたものです。
それが先月、読売新聞スポーツ面・宮島出記者のコラム
「フロムD」を読んでいて
今なおポリシーを貫いていることが判明しました。
こうなると、僕の中で未解決だった疑問が久しぶりに沸いてきます。
で、色紙の表はどっちなの?
銀座に店を構える老舗・東京鳩居堂に足を運び、色々伺ってきました。
勤務歴35年の超ベテラン販売員・田中邦明さんが
恭しく『これが色紙の原型です』と見せて下さったのが、こちらです。
薄っ!ペラペラっすよ!
原料は楮(こうぞ)。厚紙を使った【裏打ち】がされていません。
奈良~平安時代の頃から生き永らえているスタイルで
今は書道で重宝されているそうです。
1枚のお値段は¥2,310(税込み)!
左からクリーム色・朱色・薄桃色と3枚の紙が
ギリギリ最低限の合わせ目でつながっている《継ぎ紙模様》です。
よ~く見ると、さりげなく花の絵も金粉で描かれています。
つまり、色がついた紙=色紙(しきし)なのです。
もうお分かりですよね。
色のついている方が、表。
やっぱり落合監督は正しいことが証明されました。
でも、そこは奥ゆかしいお国柄だったかつての日本人。
『こんな美しい紙に自分の字を書くなんて僭越ですO(><;)(;><)O』
という方々が後を絶たず、結局、裏を使う習慣がついたとのこと。
極薄の紙質だけに裏返しても色は透けていますが
絵の模様はない分、遠慮なく筆を執ることができたはずです。
『それならば裏も書きやすくしないと。例えば“白”とかどう?』となって
現在のサイン色紙へと発展した・・という話なのです。
実際、各メーカーは、白い面に書いてもらうことを前提に
習字の筆で文字を滲ませる紙なら、ワラと竹を混ぜよう、とか
太いサインペンの字が映えるように、シンプルにパルプを使ったり、と
用途に沿った色紙を製造しています。
こういったことを踏まえて、東京鳩居堂の田中さんは
『今日的感覚で言うと・・色紙の表は・・・・・白い面ですねぇ~』
と落合監督を気遣うように結論を導き出していらっしゃいました。
オレ流、敗れたり。
でもホントの意味で正しいのは、オレ流の方。
色紙の深遠なる世界は、まるで全てを包み込むかのようです。
投稿者 斉藤一美 : 2007年03月07日 20:20