2006年03月31日
球場へダッシュ!
小学生の頃、観に行った巨人戦。
試合の中身は、もうほとんど覚えていませんが
水道橋駅の改札を抜けた瞬間
後楽園球場のナイター照明に向かって一目散にダッシュしたことは
なぜか、色鮮やかな記憶として残っているんです。
照明塔の後ろは真っ暗なのに、前は、ガッ!と照らされていて
その境界線が、ボーっとした仄かな明るさで。
あれを見ると、いてもたってもいられなかったですね。
友達は一緒に走ってくれるのですが、父は
「そんなに急がなくてもいいじゃないか。
プレーボールまで1時間もあるんだからさぁ」と
後ろからゆっくりと歩いてきたものでした。
ナイター照明が、遠くから目に飛び込んでくるだけで
子供の野球気分はこんなに盛り上がるのに
今や、ドーム球場が当たり前の時代。
どんなに近づいても『箱』しか見えてきません。
21世紀の野球小僧たちは、大きな楽しみを一つ奪われているのです。
それならば、最寄りの駅を変えるしかない!と思ってくれたのでしょうか。
福岡ソフトバンクホークスが、今年、さりげない演出を見せました。
市営地下鉄・唐人町(とうじんまち)駅のホームを降りると・・・ほら!
むしろ女性ファンが喜びそう。ウフッ。
改札を左に曲がると、大手スポーツメーカーのものですが
こんなポスターもあったりして。
国民的スターの勇姿に見とれてどこに来たのか忘れないように
念には念を入れて、ご案内。
へぇ~、この雰囲気、いいなぁ、と思いながら
階段を上がっていたら、後ろから
『オレ、松中!』
『オレも松中!』
『じゃあオレも!』
『(2人一斉に)マネすんなよっ!』
などとワイワイ騒ぎながら走って来た小学生の男の子3人組に
あっという間に追い越されました。
ただ、僕より先に地上に出たのですが
どうやら、ここへ来たのは初めてのようです。
『ドームって、こっちでいいんだよね?』と不安そうに足を向けた先が
まるで逆方向だったので、思わず叫んでしまいました。
違う違う、あっちだよ!
そこの信号を渡って右、川沿いにまーっすぐ歩いていけば
でっかいドームが見えてくるから!
口々に『ありがとうございます!』と言いながら、再び僕を追い抜き
横断歩道を渡ったところで、こちらを振り向いたので
OKマークを出して、右方向を指差すと
一斉にコクリとうなずいて、三たび全力疾走!
途中『本当にこっちでいいの?』とばかりに何度も僕を振り返るので
その都度、僕は頭の上に大きな○を作りながら
彼らの後を歩いてついていきました。
試合が始まるまで、あと4時間もあったので。
この3人は、開始1時間前に走っていた子供の頃の僕を
はるかに凌ぐ野球狂です。
球場へと走る子供たちの背中で
小さなリュックが大きく揺れていました。
これこそが、昔、僕の父が見ていた光景なのです。
きっと、幸せな気分だったんだろうな。
今度、訊いてみよっと。
川沿いをひたすら直進すると、海。
行き過ぎた!福岡Yahoo!JAPANドームは後ろだった!
実況前の腹ごしらえに、和田毅弁当。
彼の大好きな海苔弁・チキン唐揚・卵焼き・スパゲッティがてんこ盛り。
超美人の奥様もこういうのを作ってくれるのか・・・うらやましーぞ!
な~んて妄想を膨らませただけで、すでにお腹いっぱい。
今度生まれ変わったら、こっちのサイトウカズミになりたいな、と。
こんな感じで博多に3泊しているうちに、桜も咲きました。
“世界有数の歓楽街”中州にも春が訪れています。
もう1枚、どうぞ。
明日から4月。
気分も新たに、お互いがんばりましょう!
投稿者 斉藤一美 : 2006年03月31日 23:10