2006年03月07日
笑うイチロー
WBC日本代表がアリゾナに入りました。
いよいよ、僕の渡米も近づいてきたということです。
先週末は、東京ドームに入り浸り
ず~っと野球を、しかも国と国との真剣勝負を堪能しました。
それにしても韓国は、強い。
日本の強力打線を沈黙させた、磐石の投手リレー。
2死満塁、西岡のヒット性の当たりを
バックハンド・ダイビングキャッチの超美技で防いだ
イ・ジンヨンの打球判断と瞬発力。
そして、日本の野球を2年間経験したからこそ
『打者有利なカウントだから、変化球を投げてくる』と確信し
『バットの先っぽなら、強く振ってはファールになる』ので
とっさに軽いスイングに変えて、値千金の逆転2ランにしてしまう
イ・スンヨプの読み・技術・パワー。
宿敵とはいえ、惜しみない拍手を送りたくなるプレーばかりでした。
だからといって、次にぶつかる時は同じ結果になるとは限りません。
それが,野球というスポーツです。
勝った方がアメリカとの準決勝に進めるであろう
2次リーグの日本vs.韓国は
“3.15アナハイムの死闘”
として、いつまでもファンの記憶に残る試合となりそうです。
今回、イチローの笑顔に何度も触れることができました。
12球団選抜戦でベンチからチームメイトを励まして、声を枯らすと
『いかに今まで声を出していなかったか、ということです』
と恥ずかしそうに話し
『このハスキーな声も、結構いいかなって思ってます』とニッコリ。
ファンの声援には、必ず手を挙げてニコッ。
1次リーグ終了直後は、さすがに険しい表情でしたが、しばらくして
『声援に後押しされてコレ(打率.231)ではちょっとマズい』
と告白しながら、明石家さんまを彷彿とさせる
意外な“ひきつり笑い”まで披露。
イチローって、実は朗らかな人だったんですよ。
それを、野球サイボーグのような人間に変えてしまったのは
間違いなく、我々マスコミです。
しかも、ここ数年、選手がバラバラの方向を向いているだけでなく
監督までが不可解な采配を振るい
チームが空中分解状態にあるシアトル・マリナーズに
イチローが失望していることは誰もが知っていました。
やる気を失いかけた自分を、必死に奮い立たせる作業の一つとして
時に人は、クールに振る舞うことを選択します。
でも、イチローは
本当の自分を取り戻したような気がしてしょうがありません。
全ては、ワールド・ベースボール・クラシックのおかげなのです。
自分では気づいていないかもしれませんが
イチローは、韓国の強力投手陣についてコメントした時
チラッと、こんな本音をこぼしています。
『さすがにメジャーリーグでやっている選手が多いので
自信を持ってマウンドに立っている雰囲気がしました。
普段は、彼らも、違う習慣の中で
孤独と戦いながらプレーしていると思いますが
今は、韓国代表としてみんなが結束していますから
普段よりも力を出せる状況にあるはずです』
やっぱりそうだったのか、と僕は嬉しくなりました。
アメリカで、イチローは
『孤独と戦いながらプレーしている』のですね。
次から次へと人間臭い素顔を見せ始めたイチローが引っ張り
世界の王貞治がまとめるWBC日本代表は、やっぱり凄い集団です。
あぁ、アメリカ行きが楽しみだ!
ところで・・・・・
あの上原と渡辺俊介がデッドボールを与えたり
親指にロジン(滑り止め)をつけなかっただけで
松坂の右手からスポッ!と抜けてしまう【WBC使用球】は
こんなボールです。
ハハハ、ハレーション起こしてら。
こら、デジカメ!
いくら滑りやすいボールだからって、ハゲ頭が被写体じゃないんだから
しっかり写しなさい!!
日本と同じ牛の皮ですが、加工方法に違いがあるそうで
確かにツルツルしています。
それでいて、日本のボールよりも少し重いので
登板後に肩やヒジが疲れやすいらしいのです。
蛇足ながら、ご参考までに。
投稿者 斉藤一美 : 2006年03月07日 21:30