2006年02月16日
博士の奇妙な体操
本を読み終えて、とても温かい気持ちにさせられた
『博士の愛した数式』を、やっと観に行けました。
映画館の中は、いかにも「原作のファンです」感を身にまとった
中年・壮年の方々で、けっこうな賑わいです。
80分しか記憶がもたない主演の数学博士役は、名優・寺尾聰。
「“ルビーの指環”のリクエストハガキを書く時は
名前を間違えないで下さい。僕は寺尾“恥”ではありません」
とザ・ベストテンで控えめに訴えていた、あの、寺尾聰。
強烈なインパクトがあったのは・・・・・・・
家政婦の深津絵里が派遣された初めての日。
博士は「数字と愛を交わしている」そうで、一日中考えごとをしている。
しばらくして、昼食が用意された。
書斎にいた博士は
おもむろに立ち上がりダイニングルームへやって来る。
しかし、食卓の横で立ち止まり、それはそれはゆっくりとした動作で
こんなポーズをとると
キッチンであ然とする家政婦に目もくれず
また書斎へ静々と戻っていった・・・・・・・・・
というシーン。
完全に虚をつかれて、僕は笑う寸前でした。
でも、あまりにも周りが無反応だったので
え、笑っちゃいけないのかな?と急ブレーキをかけてしまったのです。
フカキョン&土屋アンナの『下妻物語』では
誰も反応していない場面でゲラゲラ笑えるくらい
周囲を気にしなかったこの僕が
笑いを寸止めすることができたのは、なぜなのでしょう?
たぶん、笑う準備ができていなかったからです。
“涙”はスタンバイ済みだっただけに、反応が後手に廻ったのですね。
あと、原作にこんな部分あったっけ?っていう
戸惑いもあったのかもしれません。
ところが、ちゃんと、あったのです。
確かに、18ページに書かれています。
身体をほぐす奇妙な体操と!
こんなくだりをクローズアップするとは、恐れいりました。
投稿者 斉藤一美 : 2006年02月16日 22:09