2006年02月01日
役所仕事は僕の夢
〔お役所仕事〕
形式や前例にこだわった杓子定規な扱いしかできない上に
能率の悪い仕事ぶり。
(第六版・新明解国語辞典)
〔役所仕事〕
ありとあらゆる架空の人物になりきり
完璧な演技をいとも簡単にやってのける
役所広司の仕事ぶり。
(斉藤一美辞典)
すいません。また役所広司の話です。
予想通り『THE有頂天ホテル』は傑作でした。
舞台は大晦日、迷路のようなホテル。
訳ありの宿泊客を“家族”として扱う
ダンディーな副支配人・新堂平吉を演じる役所広司は
作品全体を引き締めるこの超難役を
サラッとこなしているようにしか見えないんです。
しかも、再会した元妻(原田美枝子)に見栄を張ったせいで
とんでもない大恥をかくハメになるくだりも
ごく自然に表現して、大いに同情を誘います。
特に、鹿のかぶりものでスピーチする場面。
「笑い」と「哀しみ」が同時にやってくるんですよ。
こんな気持ちになるのは、チャップリンの『街の灯』を見て以来でした。
もちろん、トータルでは「笑い」の方が多いのですが。
三谷幸喜さんの台本で芝居をする時は
すごい重圧を感じる。
台本だと笑えるのに
人が演じると笑えなくなる恐怖・・。
いつも、それが怖い。
だから、ここは笑える、と思って
演じない方が成功する気がする。
・・・ということを、彼は心がけていたそうです。
ちからをいれて りきまない
あの相田みつをが、なかなかできなかったことを
役所広司は、またしてもやってのけました。
一度でいいから、僕も“役所仕事”をしてみたいです。
ちなみに『THE有頂天ホテル』の出演者は
全員見事な役所仕事ぶり!
役所広司に次ぐ僕のお気に入りキャラは、オダギリジョー。
あんな演技も出来るなんて、脱帽。
投稿者 斉藤一美 : 2006年02月01日 22:12