2006年02月28日

“かずみ・さいとう”と言える日

ワールド・ベースボール・クラシックを取材するにあたって
メジャーリーグから「アメリカでの宿泊先を紹介します」と
メールで声をかけてもらいました。
誰でも知っている有名なホテルに割安で泊まれるようなので
これはお得だ、とネットで予約を入れたんです。

と・こ・ろ・が

ちょっと嫌な予感がしたので
日本の系列チェーンの予約センターに確認すると
『お客様がおっしゃっているチェックアウトのお日にちよりも
 1日早いご出発予定となっております』
と来たもんだ!

危ない、危ない。じゃあ、もう1日泊まらせて下さい。

『あいにく満室です。
 近くの系列ホテルであればご希望にそえます』

それでお願いします。では、前の予約はキャンセルということで。

『この場合、団体予約扱いなもので。
 申し訳ございませんが
 直接、現地のホテルへご連絡いただけますか?』

え~っ!
そっちでやってもらえるんじゃないのぉ~!?

・・・という子供じみたリアクションをグッと呑みこんで
いかにもあぁ、僕、英語ペラペラですから的な
冷静さを必死に出しながら、受話器を置きました。

うぅ、もう英語を使う時がやってきたか・・・。
予定より10日も早いよ。
海外は何度も行っているけど、また同じ失敗を繰り返すのかな・・・。
いや、今度こそ、絶対、成功させてみせる!

ためらうこと2分。意を決して、ホテルに国際電話をかけました。


  今すぐ、宿泊の予約をキャンセルしたいです。
    
  (オーケー。ユア・ネーム・プリーズ)


  ミ・イトウ

ぎゃーっ!!またやってしまったーっ!!!!
英語で喋ると
なぜオレは自分の名前にいらぬアクセントをつけるんだ!?


  かずみ・さいとう

英語で訊かれると
こんな風に自然な日本語で返せないのはなぜなんだ!?


 Presented by ○○自動車

あの、ジョン・カビラが提供クレジットを読む時の
“英語・日本語・完全分離”を理想に掲げたのが
新入社員の頃だったのに、いまだにオレは
  
 マイ・ネーム・イズ・ミ・イトウかっ!!!!!!!

これって、僕の名前を復唱する外国人のマネですよね。
あ~っ、英語に負けたくないっ!

投稿者 斉藤一美 : 23:41

2006年02月27日

紅天女

長野オリンピックの仕事をしていた頃だから、8年前。
有楽町のラジオ局のディレクターと仲良くなりました。
確か、スノーボード会場へ行くバスの中で
マンガについて熱く語り合ったことがあったんです。

その方は、長髪、パーマにサングラスで
ヒゲを生やし、黒ずくめの服。
70年代の洋楽に傾倒している、個性的な風貌の男性でした。
世界中が注目するイベントの中枢部に出入りするには
あまりにも怪しすぎる容姿のため
金属性のものを一切ポケットに入れていないにも関わらず
ゲートをくぐるたびに
ピンポ~ンと音が鳴ってしまうほどだったのです
(「係員がボタンを押しているのが見えた」と本人は苦笑していました)。

そんな彼が、僕に「ダマされたと思って、絶対、読むべきだ!」と
強烈にプッシュした作品が

『ガラスの仮面』でした。

こともあろうに、少女マンガ。
この展開は、話の流れからいっても、絶対にダマされるべきです。

閉会式の翌日に帰京。その足で本屋へ直行。即、購入。
これがもう面白いのなんのって!
連載開始が、王選手が715号を打った1976年。
今年でジャスト30年経ってもなお完結していない
文字通りの大河ドラマ。

この中に出てくる架空の芝居が“紅天女”(くれないてんにょ) です。

将来有望な女優・北島マヤと姫川亜弓。
〈見た目は平凡な少女〉と〈お嬢様〉。
〈演技にかけては天才〉と〈ケタ外れの努力家〉。
どこまでも対照的な2人が“紅天女”主演の座を賭けて
激しくしのぎを削りあう、というのがザックリとしたストーリーです。

“紅天女”はその全貌が完全には明らかになっていないため
読者は果てしなく興味をそそられて
1冊、また1冊と読んでしまうんですわ、これが。

そんな“紅天女”が現実の世界で舞台化されたら、マニアは卒倒します。
で、ホントに舞台化されちゃったんで、皆、ビックリ!

しかも 。

「その内容が、まさに能そのもの」という
専門家のお墨付きがきっかけで綿密な構想が練られ
先週末、国立能楽堂で上演されたのを
確かにこの眼に焼きつけてきました。

時は南北朝時代。
戦は絶えず、度重なる天災も追い討ちをかけ
乱世ここに極まれり、という世の中。
一人のイケメン仏師が立ち上がり
「樹齢千年の梅の霊木で天女像を彫って、日本を鎮めてみせる!」
と旅に出ます。
ところが、かぐわしき紅梅の香りに誘われているうちに
彼は道に迷ってしまったところで美しい女性に助けられ
2人は恋に落ちるのです。
でも、彼女は“千年の梅の木”の化身であることが分かり
仏師は胸をかきむしられるほど悩みます。
木を伐ることは、彼女の命を奪うことを意味するからです。
彼女は、彼を説得します。
「我を伐れるは、汝のみ」
愛し抜いた男性に命を捧げることで
この世の中が平和になるのであれば本望である、と。
仏師は意を決して、斧を振り下ろします。
カツーン。カツーン。カツーン。
やがて女は天女に姿を変え、昇天すると
乱れた世の中は嘘のように鎮まっていきましたとさ・・・。

“紅天女”のあらすじです。

これが能の舞台にかかると
天女ですら、男が面をかぶっての演技となります。
でも、そこには、信じられないほど幻想的な世界が広がっていました。
後ずさりしているだけなのに、空を飛んでいるように見えるだけでなく
小さな能面から顔がハミ出ているのに、全く気にならないんですね。
客席に顔を見せた人形遣いが操っているのに
違和感ゼロの文楽とその点は同じです。
伝統芸能の底力を、これでもか!って感じで見せつけられました。

しかし、能の懐の深さは、歌舞伎や文楽とは比べものになりません。
だって、5分くらい居眠りしていても、全く問題ないんですよ。
何せ、セリフ回しも役者の動きも遅いから
ぜんっぜんストーリーが進まないんです。

また、笛と鼓の音が睡魔を呼び込む、呼び込む。
もう、最高のBGMです。
さすがの『ガラスの仮面』マニアの方々も
皆一度はノックアウトを喰らっていました。

それでも、その魅力に引き込まれるのが、能。
少女マンガとのコラボ、素晴らしかったです。
マヤと亜弓が観ていたら
きっと計り知れないプレッシャーとなったに違いありません。

投稿者 斉藤一美 : 21:32

2006年02月24日

荒川静香と握手できた?

トリノの金メダルって、日本人の首から下がっていると
でっかい5円玉に見えませんでしたか?
やっぱり、予想通りでした。

でも、この思いを実感するまで
開会式から2週間もかかったのは予想外です。

荒川静香
世界の頂点に立つ!

彼女がこの8年間で養ってきた
“鮮やかなる迫力”がビンビンに伝わってきて
僕の体は、朝っぱらからカーッと火照ってしまいました。
まさに、金メダルにふさわしい芸術品を作り上げましたよね。

でも、僕はひねくれ者かもしれません。
スルツカヤの逆転金でもいいじゃないか、と考えていたからです。
長野でも、ソルトレークシティでも、届きそうで届かなかった金メダル。
ジャンプの着地でミスをしても、低い採点にも
最後まで笑顔を絶やさないアスリートに
もうそろそろ最高の栄誉が与えられても、誰も文句は言えません。
結局、3位。銅メダル。でも、顔はしっかり笑えている。
作り笑顔が自然なスルツカヤに、心から敬意を表します。

アメリカとロシアよりも高いところに上がる日の丸。
君が代を口ずさむ荒川。
その舞台裏で見せた、氷上のカリスマ・村主章枝の涙。
フィギュア観戦経験の浅い僕が初めて見た、村主の悔し涙。
とても切ない、涙でした。
荒川と、握手できていたらいいのですが。

そして、金メダル確定直後
座っていた荒川に、後ろから右手を差し伸べていたのに
気づいてもらえなかった2人の男性も
あの後、荒川と、握手できていたらいいのですが。


投稿者 斉藤一美 : 07:15

2006年02月22日

旬のゲイ人、大歓ゲイ!

この中に、今をときめく超人気者が紛れ込んでいます。
さて、誰でしょう?

DSC00169.JPG


正解はレイザーラモンHGフォーッ!

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【サンデースポーツパラダイス・てっぺん】
今度の日曜・2月26日放送分の収録が
今日の“やるMAN”終了直後に行われました。

ぶっちゃけて言いますと
いかなる場合でも、放送は「生」のように聴かせるのが基本。
ましてや自分の番組が電波に乗る前に
たとえブログとはいえ、次回分が録音であることを明かすことが
放送人の倫理にもとるのは、百も承知です。

では、なぜ、公表するのかというと・・・

明日になれば、スポーツ新聞に記事が載り
録音だったことがバレてしまうからです!
公表というより、自首に近いっスね。

文化放送広フォー部、いや広報部に確認したところ
新聞・雑誌・テレビ合わせて約30社のマスコミが集結!
HGがラジオに出る珍しさに加えて
HGに寄生虫呼ばわりされている相方・レイザーラモンRG
予定調和の乱入を果たしたことも拍車をかけたのです。

旬のゲイ人、いや芸人だけが持つ勢いに触れることができて
実に面白い1時間半でした。
終了後、超ド級エンタテインメント・プロレスハッスルのリングで
近いうちに一騎打ちをしかねない因縁の2人を
アオりまくる記者会見になったようです。

結局、HG(下)がRG(上)に吊り天井固め を仕掛けてジ・エンド。
DSC00171.JPG
RGは自分の体重で右腕と両足を極められている状態です。

とにかく、驚くべきは使う技の渋さ受けの巧さ
プロレスを見続けて30年超の僕が断言します。
彼らは、立派なプロレスラーです。
賛否両論、バッチコーイ!

放送は今度の日曜、夜6時から7時まで。
3人のセセイセイセイ!なトーク、聴いて下さい。
DSCF0066.JPG



投稿者 斉藤一美 : 20:59

2006年02月21日

ヤンチャの余韻

今日で、このパスポートともお別れです。

passport_2.jpg

ホンッ・・・・・・・・・・トに長い10年でした。

このヘアスタイルの事情を知っているあなたは
かなりの文化放送通ですね。

その昔、僕は“夜の男”でした。
【斉藤一美のとんカツワイド】という平日の番組を
22時頃~24時頃まで、毎日喋らせてもらっていたのです。

1993年、始まった当時の裏番組では
伊集院光・岸谷五朗というビッグネームが名を連ねる中
局アナ・25才・ただ元気なだけ・あんた誰?ってな感じの男が
そう簡単に高い聴取率を取れるわけがありません。

なのに、僕というヤツは、半年経っても
それが全く分かっていない身の程知らずだったんです。
スタッフとの深夜の飲み会で
日本酒を浴びるように呑んで、即、泥酔。

チッキショーーーーーーーーーーッ!
オレは一番じゃなきゃイヤなんだ!!
オレは一番じゃなきゃイヤなんだ!!!
オレは一番じゃなきゃイヤなんだ!!!!

・・ってうわ言のように叫びながら
やるき茶屋の取り皿をつかみ、テーブルの角にバンバン叩きつけて
挙句の果てにはバリッ!と割ってしまったのだそうです。

まさに粗相。大粗相。

2週間後、生放送の中で責任を取らされました。
写真週刊誌・FLASHも呼んでの公開断髪式です。

『そんなに一番になりたいんだったら
 まず見た目から一番になれ!アッハッハ』
というスタッフのメッセージが存分に込められた髪型に大変身・・・。

名づけて
オレは一番じゃなきゃイヤなんだ!バリッ!カット
通称・オレバリカット。
あ、念のため。
《バリッ!》は取り皿が割れた音です。

頭頂部のど真ん中・1センチ四方だけ残して
後は全部髪の毛を剃り上げてしまい
デップで固めてピン!と立たせることで、を表現。
鼻の下には、カトちゃんのようなチョビヒゲをサインペンで書き、やはり
2つあっては二番になっちゃうよな、というスタッフの意向で
眉毛は全て剃られました。

人相、ガラリ一変ですよ。
その週末、久々に両親と温泉旅行に行ったんですけど
行きのロマンスカーの中で、母はずっと泣きはらし
ハンカチを手放せなかったくらいですから。

で、長いこと番組をやっていくうちに徐々に髪を伸ばしていったところで
『一美、もう一回“原点”に帰るか?』とスタッフに訊かれたのです。
異存はなかったので、眉を残すことを条件に
ソフトなオレバリカットにイメチェンして、最後の1年間を喋り切りました。

このパスポートって、そんなヤンチャな仕事ぶりの余韻だったんですよ。

もう、入国審査で外国人の係員から
「プププ」と笑われたり
「本当にこれは君なのか?」と疑われたり
「なぜ、この髪型を?」と尋ねられることもなくなるんだなぁ。

その都度「イッツ・マイ・ジョブ!」と返すのが
少しだけ快感に変わり始めてきたのになぁ。

でも、こんな髪型、もう二度とできません。

さらば、若気の至り!


投稿者 斉藤一美 : 23:05

2006年02月20日

ボログ その6〈スノーバイク〉

『雪山を自転車でガーッ!て降りていく競技をTVで見てたら
 みんな派手に転びまくってて、おっかしくてしょうがないの。
 何ていうスポーツか分からないんだけど
 一美さんに挑戦して欲しいんです!』

新年早々、山本美憂さんからこんなリクエストがありました。

放送上は「無責任に何言ってるの!?」と返しましたが
美女から直々のお願いをされて断るほど
こちとらヤボじゃあありやせん。
すぐに調べて、実現させるべく動きました。

しかし、それはどうやらスノー・ダウンヒルという
シャレにならないほど危険なスポーツだったのです。

“一度、試しに体験を”なんてやわな考えでは大ケガするよ、と
色々な問い合わせ先で諭されました。
そこで思い切って方針転換!
美憂さんには

え、このスポーツじゃなかったんですか?  

と胸を張ってしらばっくれることができるものにチャレンジしてきました。

雪山を、自転車(の感覚)でス~ッと滑り降りていく
極めて安全なウィンタースポーツ!

スノーバイクです。

中台章先生と。
DSC00148.JPG
【サンデースポーツパラダイス・てっぺん】スタッフと。
DSC00146.JPG

この楽しさを一刻も早く番組で伝えたかったのですが
美憂さんはトリノから戻るまで出演できないし
ガマンできずに2月2日のブログで予告するにとどまりました。
そうこうしているうちに
僕はいつの間にかアメリカ出張が決まってしまい
彼女の目の前で紹介するチャンスを探っていたら
今年の雪はとっくに溶けていた・・・なんてことになりかねないので
昨日の放送で“ネタ下ろし”した、というわけなのです。

が、全く喋り足りていません!
ボイス・ブログ(略してボログ)、行っちゃいましょう。




お問い合わせ先:ジオスポーツ

日がな一日、雪と遊んで大満足の大人4人。
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投稿者 斉藤一美 : 15:33

2006年02月18日

謎の入田直子

土曜日は寝坊をしても大丈夫な日ですが
今朝は珍しく早くから目が覚めてしまいました。

こんな時の楽しみは、NHK『おはよう日本』をチェックすること。
“元気中継”から本当に元気をもらえるからです。

レポーターを務めているのは入田(いりた)直子さん。
特に面白いことをしゃべっているわけではありません。
なのに、面白い。
どこが面白いのか全然わからないのに
なぜか面白く聞こえてしまうのです。

僕もそうなのですが
大体、レポーターの仕事を引き受けた人は
ハキハキとした口調で
正しいことを伝えようとしゃかりきになるものなんですよ。
でも、彼女のしゃべりは、何かこう、モニョモニョしてるのです。
丸文字が延々と続く手紙を読んでいるイメージ・・・・・・・・・・
とでも言えばいいのでしょうか。
その丸文字も、過ぎると鼻につくはずなのですが
“やや楷書に近い丸文字”なので、どこまでも読めてしまう感じ。
それでいて、元気なのです。

うーん、入田さんの魅力は一言では言い表せない!
全然アナウンサーっぽくないから、いったい何者なのか分からない!
これだけの得難いキャラクターなのに
週1回の“元気中継”でしかお目にかかれない!

パソコン購入後、久々にこんな疑問に駆られたので
ネットで検索してみたのですが
そのほとんどが

入田さんが来てくれましたとか

入田さんと有働アナは姉妹に違いないとか

そんなのばっかり。確かに顔は激似だけど。

しかも、NHKのHPに出演者名検索欄があったから
これだ!と思ったのに

入田直子 0件って何なんだ!

せっかく乗りかかった船です。
ここまで来たら、もうちょっと頑張って探してみますが
それでもダメなら、最後はNHKの広報に電話して訊くしかありません。

求む。入田直子情報。

投稿者 斉藤一美 : 09:30

2006年02月16日

博士の奇妙な体操

本を読み終えて、とても温かい気持ちにさせられた
『博士の愛した数式』を、やっと観に行けました。
映画館の中は、いかにも「原作のファンです」感を身にまとった
中年・壮年の方々で、けっこうな賑わいです。

80分しか記憶がもたない主演の数学博士役は、名優・寺尾聰。
「“ルビーの指環”のリクエストハガキを書く時は
 名前を間違えないで下さい。僕は寺尾“恥”ではありません」
とザ・ベストテンで控えめに訴えていた、あの、寺尾聰。

強烈なインパクトがあったのは・・・・・・・

家政婦の深津絵里が派遣された初めての日。
博士は「数字と愛を交わしている」そうで、一日中考えごとをしている。
しばらくして、昼食が用意された。
書斎にいた博士は
おもむろに立ち上がりダイニングルームへやって来る。
しかし、食卓の横で立ち止まり、それはそれはゆっくりとした動作で
こんなポーズをとると
DSC00167.JPG
キッチンであ然とする家政婦に目もくれず
また書斎へ静々と戻っていった・・・・・・・・・

というシーン。

完全に虚をつかれて、僕は笑う寸前でした。
でも、あまりにも周りが無反応だったので
え、笑っちゃいけないのかな?と急ブレーキをかけてしまったのです。

フカキョン&土屋アンナの『下妻物語』では
誰も反応していない場面でゲラゲラ笑えるくらい
周囲を気にしなかったこの僕が
笑いを寸止めすることができたのは、なぜなのでしょう?

たぶん、笑う準備ができていなかったからです。

“涙”はスタンバイ済みだっただけに、反応が後手に廻ったのですね。

あと、原作にこんな部分あったっけ?っていう
戸惑いもあったのかもしれません。

ところが、ちゃんと、あったのです。
確かに、18ページに書かれています。


身体をほぐす奇妙な体操と!


こんなくだりをクローズアップするとは、恐れいりました。

投稿者 斉藤一美 : 22:09

2006年02月15日

一人っ子の楽しみ

やった!
アメリカ出張が決まりました!
取材に行けるんですよ!
プロ最強の野球王国決定戦!
あのワールド・ベースボール・クラシックを!

しかも、たった一人。
“仕事・外国・初めての土地”という
普通の人なら、淋しい熱帯魚になってしまうところですが
一人っ子育ちの僕はヘッチャラなのです。

なぜなら、子供の頃から一人遊びに慣れているから。

例えば、一人プロレス。

アントニオ猪木の魔性と、ミル・マスカラスの華麗さを兼ね備えた
生涯無敗の覆面レスラー【スカイ・ホーク】を想像の中で創り上げ
フィニッシュは、トップロープからのフライングエルボードロップ!
いつもガンガン飛び跳ねていたら
下の階に住んでいるオバサンから苦情が来たっけなぁ。
こんなエルボー技があったら、という願望から生み出した大技ですが
数年後、本当に天龍源一郎が披露した時はビックリしたものです。

あと、一人野球。

セ・パの壁を取り払い、13球団の1リーグ制(いびつな構造!)。
【東海イーグルス】という新規参入球団が
130戦全勝(相手は12チームなのに・・)の快進撃で日本一。
エース・東(あずま)は高卒ルーキーの開幕投手。
球種はストレートのみ。
投げればヒットを打たれることがない、全試合パーフェクトピッチング。
僕の頭の中で、東はすでに
『27球完全試合』と『27奪三振・81球完全試合』の感動を味わった
世界でただ一人のピッチャーです。


すげぇなつかしい~~~~~~~~~~~~~~~~~!
あの小学生時代にはいつでもタイムスリップできるわ。


でも、文字にすると暗いっすネ。


こういう空想癖があったからこそ
僕は小倉優子ちゃんの大ファンになったのでしょうか?
こりん星トークは、あまりにも笑いのツボのど真ん中に来るもので。


とりあえず、海外出張決定のご報告でした。

投稿者 斉藤一美 : 00:15

2006年02月13日

宮崎にて、嵐の日々。

1週間のごぶさたです。

ブログを始めて3ヶ月。
最も長いブランクとなってしまいました。
プロ野球・スプリングキャンプの取材で、宮崎に行かせてもらい
頭の中はすっかり野球一色に染まっています。
あと・・・・・・・・・・
何か色々ありすぎて、息つくヒマもない4泊5日だったのです。
全ての状況を思い出しながら文章を考えていると
徹夜で丸2日はかかるので、箇条書きで勘弁して下さい。

まず、宮崎入りした日が、最大瞬間風速30メートル超。
何と2月の現地観測記録。いわゆる霧島おろし。
グラウンドの土が目・鼻・口・耳の中に入り込んだ。
今思うと、この時に“嵐の予感”を感じてもよかったかも。

深夜、ホテルの部屋で、ブログを携帯で更新しようとして
長いことキーを打ちまくっていたら【充電切れ】のサイン。
コンセントに差し込んで更新を続けると、突然、画面が真っ暗に。
それから電源ボタンを何度押しても、復活、せず。
携帯、故障。

朝、車で日南市の携帯ショップへ。
化粧は今風で、バリバリ宮崎訛りの若い店員(今井メロ似)から通告。
「故障ですぅ。電話帳データをバックアップしてあればぁ
 機種変更だけで今から使えますけどぉ」
バックアップなど、したことは、ない。
全アドレス、消滅。

翌日、モヤモヤした気分もスッキリするだろうと
西武ライオンズ・伊東監督の早朝ランニングのお供。
ふぅ、もうすぐゴールだ、と思った瞬間、転んだ。
右手と右ヒザを、激しく擦りむいた。
アスファルトは、痛い。非常に、痛い。

その日の夜は、西武から巨人にFA移籍した豊田投手との食事。
絶対行かなきゃ。
なのに、ちょっと寒気がする。そして、眠い。
泣く泣く、文化放送スタッフに欠席を告げて、ホテルで早寝。
どうやら、風邪のひき始め。

最終日。ホテルをチェックアウト。
しかし、ない。
やっぱり、ない
部屋にも大浴場にもどこにもない。
僕のメガネが見当たらない。
結局、紛失。冗談じゃな~い。

ちょっとだけ、ラッパー気取りです。
しかも、一昔前の。
話を戻します。

久しぶりに我が家の玄関前に立つ。
どんよりした気分は機内でも拭えなかった。
でも、息子の顔を見て、イヤなことなんかすぐ忘れてやる!と意気込む。

チャイムを押したら
パジャマ姿の彼が飛んでくるようにドアを開けてくれた。
こんな僕に抱きついて「お帰り、パパ!」だって。

あぁ もう携帯もメガネもいらない 擦り傷だって治らなくてもいい
・・・と息子を抱きしめて父親の幸せを満喫していたら

戻ってきたドアが、僕の右のオデコを直撃。

ここまでくると、もはや笑うしかなかった。
だって今回の出張って、マンガのワンシーンみたいなんだもん。
何をやってもまとわりついてくる、小さな不幸の数々。
別に立て続けでなくてもいいのにね。

そんなわけで、今週は
文字通りの『ヤボ用』や『事後処理』のオンパレード。
自分を盛り上げるのに必死です。

投稿者 斉藤一美 : 01:28

2006年02月06日

ボログ その5〈MBT〉

1ヶ月ほど前『マサイ』という映画を観に行きました。

出演者全員が、アフリカ大陸に暮らしているマサイ族。
その中でも特に勇敢な、マサイの戦士達が主演を張っています。
しかも、かつての『ブッシュマン』『コイサンマン』のような
ほのぼの路線とはビシッ!と一線を画した作品に仕上がっていて
愛と友情と気高き誇りを全編にまぶした
まぁ、言ってみれば“マサイ族版・男たちの大和”のノリだったんです。

マサイ族の中で戦士に選ばれた男は、神様のようなもので
他人から命令を受けるなんて、本来ありえません。
でも、彼らはフランス人監督の演技指導を受け、撮影ルールに従い
まるでドキュメンタリー映像じゃないかと思うほど
自然に動いていたんですよ。

  そうそう
  その動き その動き
  マジでキレイな歩き方だよなぁ

・・・と、ホント、観ていてホレボレするフォームでした。

じ・つ・は
映画のストーリーは二の次、三の次。

ただマサイ族が歩く姿
この目で確かめたかっただけなのです。

何せ、12月からこんな靴を履いているものでして。
DSC00161.JPG
ロゴのところ、拡大してみます。
DSC00160.JPG

МBTって書いてある横に
マサイ族がいるの、分かりますか?

正式には“Masai Barefoot Technology”。
ここから先は、ボイス・ブログ(略してボログ)で種明かし。





取材先・МBTウォーキングスタジオ麻布

投稿者 斉藤一美 : 15:34

2006年02月02日

♪こな~ゆき~ぃ♪

パウダースノーを食べたことはありますか?

僕は、今日食べました。
長野県・菅平高原のモノは絶品ですよ。
なぜここにいちごシロップがないんだ!って思うほど、ウマイ。

その代わり、食べたらむせますからね。
文字通り“粉”ですから。

場所は奥ダボススキー場。
こんな乗り物に挑戦してきたんです。
DSC00147.JPG
何度も転んだのに、気分は爽快。
日本では、ここでしか出来ないスポーツ。

さて、これは何でしょう?
答えは【サンデースポーツパラダイス・てっぺん】で
トリノ帰りの山本美憂さんと喋ったあと、このブログで明かします。

  

投稿者 斉藤一美 : 22:51

2006年02月01日

役所仕事は僕の夢

〔お役所仕事〕
  形式や前例にこだわった杓子定規な扱いしかできない上に
  能率の悪い仕事ぶり。
                    (第六版・新明解国語辞典)
〔役所仕事〕
  ありとあらゆる架空の人物になりきり
  完璧な演技をいとも簡単にやってのける
  役所広司の仕事ぶり。
                    (斉藤一美辞典)


すいません。また役所広司の話です。
予想通り『THE有頂天ホテル』は傑作でした。

舞台は大晦日、迷路のようなホテル。
訳ありの宿泊客を“家族”として扱う
ダンディーな副支配人・新堂平吉を演じる役所広司は
作品全体を引き締めるこの超難役を
サラッとこなしているようにしか見えないんです。
しかも、再会した元妻(原田美枝子)に見栄を張ったせいで
とんでもない大恥をかくハメになるくだりも
ごく自然に表現して、大いに同情を誘います。
特に、鹿のかぶりものでスピーチする場面。
「笑い」と「哀しみ」が同時にやってくるんですよ。
こんな気持ちになるのは、チャップリンの『街の灯』を見て以来でした。

もちろん、トータルでは「笑い」の方が多いのですが。

 三谷幸喜さんの台本で芝居をする時は
 すごい重圧を感じる。
 台本だと笑えるのに
 人が演じると笑えなくなる恐怖・・。
 いつも、それが怖い。
 だから、ここは笑える、と思って
 演じない方が成功する気がする。

・・・ということを、彼は心がけていたそうです。


ちからをいれて りきまない


あの相田みつをが、なかなかできなかったことを
役所広司は、またしてもやってのけました。
一度でいいから、僕も“役所仕事”をしてみたいです。

ちなみに『THE有頂天ホテル』の出演者は
全員見事な役所仕事ぶり!
役所広司に次ぐ僕のお気に入りキャラは、オダギリジョー。
あんな演技も出来るなんて、脱帽。


投稿者 斉藤一美 : 22:12

 

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