2006年01月18日
真の純愛は重い
“全てを捧げる純愛”がテーマの両作品です。
左・全352ページ。右・全364ページ。
う~ん、どちらも泣けるなぁ。
でも、涙の質が違います。まるで正反対ですね。
『容疑者Xの献身』は、一気に地獄に叩き落とされる絶望感。
『電車男』は、ゆっくりと満たされていく幸福感。
この2冊は、泣かされた状況が特に思い出深いんです。
『電車』は、トレーニングジムでエアロバイクを漕いでいた時。
周囲の目が気になりましたが
顔中、汗まみれだったので助かりました。
『容疑者』の時はヒドかったですよ。
車の中で、家族3人だけだった、という安心感があったせいでしょうか。
助手席で、大声を上げそうになるくらい、涙を流しました。
本を閉じてなお、ずっと歯を食いしばって「うぅ・・・」と泣いている僕を見て
運転していたカミさんも、後ろに座っていた息子も
「外から見えたら超恥ずかしい」とハラハラしていたそうです。
予期しないタイミングで
あっという間に泣かされた衝撃という点では、東野圭吾の圧勝です。
この魅力的な作品が直木賞に決まったことが、嬉しくて、嬉しくて。
2冊を両手に持ってみました。
ページ数はほとんど変わらないのに
『容疑者Xの献身』の方がズッシリ重いんです。
今思うと、すでにこの時点で
主人公・石神の愛情の深さを暗示しているかのような装丁なんですね。
考えすぎ?
投稿者 斉藤一美 : 2006年01月18日 23:30