2005年12月17日

箱根中毒

今週は、箱根駅伝に出場する大学の取材で忙しかったんです。
金曜は、優勝大本命の東海大学
(僕らの年代だと野球の原辰徳や柔道の山下泰裕の
印象が強烈っスね)へお邪魔しました。
広大な湘南キャンパスには美しいイルミネーション!
クリスマスツリー.JPG
ただ、ここに着くまで
新宿から小田急線の急行に乗っても丸1時間かかります。
まぁ、大学の陸上部はどこも遠いところばかりなので
これぐらい当たり前ですけどね。
おかげで『日本女子フィギュアスケート・オフィシャル応援ブック』を
読破することができました。

安藤美姫は荒川静香から
“ウーパールーパーに似てる”と言われているそうです。
なぜなら、口が大きくて目が離れているから。ハッハッハ!
で、安藤も“ウーパールーパー、大好きです”だって。
2人ともナイスなセンスですね。
あと、GPファイナルの浅田真央。
スッゲェーーーー!
何か、一人だけモノが違う感じ。伸び伸びしてて、超うらやましい。
完全無欠という言葉がピッタリはまる。
もはや国民的アイドル、一歩手前ですね。
いい意味で挫折を知らない笑顔だから、こっちも笑ってしまいます。

挫折。
箱根駅伝とは、切っても切れない間柄です。
この、関東ローカルな大学対抗戦に
全国が熱狂の賛辞を惜しまないのは
たった1日、20キロ余りを走るためだけに、364日を犠牲にする姿に
心を激しく揺さぶられるから。
だから、伝える側にいる僕たちも
彼らの生き様を直撃しないことには『箱根』に携わる資格はないのです。
毎年、この時期に選手を取材するたびに
入社当時のピュアな気持ちを思い出します。

4年生の石川友靖君。最後の箱根です。
前回は復路・8区(平塚~戸塚)を走るはずだったのに
前の日の夜9時に、コーチから「1年生に走らせる」と告げられました。
2人の力が全く互角だっただけに、コーチも最後まで悩んだそうですが
決め手は、石川君のケガ。
しかも、今ではなく、夏場のケガ。
その分、1年生の方が、3週間だけ多く練習していたからです。

彼は、気丈にもその足で1年生の部屋を訪ね、激励しました。
言葉にならない声で、無念を押し殺して。
そして、外へ出て、思い切り泣いたそうです。
明日、応援に来てくれる両親に早く連絡しなきゃ、と分かっていながら
「オレ、明日、走らない」
この一言が、どうしても言えなかったそうです。

石川君は、この挫折をバネにして、一年間懸命に走りました。
そして、再び、16名の中に選ばれました。
彼が箱根に出られるかどうかは、わかりません。
でも、ここまで仲間と一緒に頑張れたことこそが
人生最大の財産ですよ。
どちらにせよ、胸を張ろう!と僕たちは固い握手を交わしました。

文化放送でスポーツに関わる社員は
こうやって箱根中毒にかかっていくのです。

投稿者 斉藤一美 : 2005年12月17日 04:48

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