2005年11月18日

一美のバーカ!

『お前はバカだけどさ、明るいからいいんだよ』

甲子園での日本シリーズ実況後、梅田で焼肉をつつきながら
東尾修さんに、真顔でこう言われたんです。

僕は何も言い返せませんでした。
ズバリ、正解だから!

やっぱ、人間、そう変われるもんじゃないっすよ。
どんなに本や新聞を読んだって
年相応の身だしなみに気を配り始めたって
けっこういい体格をした10歳の息子の教育に頭を悩ませたって・・・・・

そう、僕はバカだったんです。
「バカだけど、明るい」男だったこと、すっかり忘れてました。

アナウンサーになってから15年半
この“揺るぎない真実”を忘れている時
決まって僕は自分を見失っているんです。

正直に告白します。
この秋、ラッキーなことに
毎週日曜の番組でしゃべるチャンスをいただきました。
だから、張り切って毎日を過ごせる、とばかり思っていたんですが
ここ2年間は、ライオンズナイターがない秋冬シーズンに
スープの味でいえば【特濃】なワイド番組を
週4日も任されていたからでしょう。
知らない間に生まれてしまったほんのわずかな心の隙間を
なかなか埋められずにいたんです。

そんな時に聞いた、東尾さんからの一言だったわけですよ。


10年ほど前の“とんカツワイド”の話。
南青山少女歌劇団と一緒にやった《一美のバカクイズ》で

『北海道という言葉を、唇を閉じないで言ってみよう!』 

と出題された僕は、迷わずこう答えました。


おっかいおう~

「ほっかいどう」と
フツーに言えば正解であることを知らなかったんだから、しょうがない。
ベストを尽くした結果です。
この直後に彼女たちから受けた
一美のバーカ!
イヤミがなく、あまりに痛快で、その通り!と返したくなるほどでした。


あの時思ったんです。

もう社会に出て4年経つ。
でも学生時代までがそうだったように
これから、改めて、とことん真剣に物事にぶつかっていこう、と。
それこそ、バカと言われるくらいまで。
ま、人と衝突することにもつながってしまいがちだけど
それはそれで解決してから、また、ぶつかる。
そして、どこかで、花開く。

この、若かりし頃の決意が
東尾さんのおかげでよみがえり
迷いも吹っ切れたっちゅうわけです。

バカは、迷っていたら、力を発揮できません。
バカは、ひたすら突進するから
利口な人が開けられない扉を開けられるのです。
バカは「こっちのほうがいいじゃん!」と思った道なら
未舗装だって気にしません。
バカだから、正しいことよりも、楽しいことを好むのです。

それを、会社のルールの範囲でやればいい、と僕は信じています。


サンデースポーツパラダイス・てっぺん
名前の通り、ラジオスポーツ番組の頂上を目指しています。
この、素っ裸同然でつづるブログと合わせて、お付き合い下さい。

投稿者 斉藤一美 : 2005年11月18日 13:17

 

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