闇の子供たち
社会には闇の部分があります。
しかし目を背けてはいけない闇もある。
その闇に光を当てた映画が
先週末から公開されました。
『闇の子供たち』
東南アジア、タイのアンダーグラウンドでは
人身売買、幼児売買春が行われていて、
幼児を買う、幼児性愛者の中には日本人もいます・・・。
梁石日原作の小説『闇の子供たち』を、阪本順治監督が映画化しました。
過去にドイツのクルーが同じ題材をテーマにタイで撮影をしようとしましたが、
マフィアに銃で脅されて逃げ帰ったこともあるため、
撮影には細心の注意を払ったということです。
主演の江口洋介さんはじめ、宮崎あおいさん、妻夫木聡さんなどの役者陣も
このテーマを伝える必要性を感じて出演を決めたとのこと。
幼児売買春を描かなければならないため、
タイの子役たちときちんと向き合うことも必要でした。
オーディションのときには、この映画がなぜ必要で、
なぜこういう役を演じてもらうのか、きちんと説明し、わかってもらったそうです。
この映画で役者である子どもを傷つけることがあってはならないし、
またこの映画が、幼児性愛者を喜ばせるものであってはならない。
映画では、子どもたちの澄んだ、鋭い瞳が印象的でした。
そして瑞々しい生命力も感じました。
彼らの未来を奪うものは何なのか。
それは日本の大人でもある。他人事ではない。
小説とは違ったラストに阪本監督の思いが込められているように感じました。
映画『闇の子供たち』は8月2日(土)より渋谷のシネマライズほか全国順次ロードショーです。