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2006年09月29日

二日酔いにはこたえます

目を疑うようなシーンの連続だった。
Aクラス争いの直接対決というわずかに残された興味をあざけり笑うかのような
とっちらかった試合だった。
1回の表1死1,2塁で4番李の打球は左中間へ。
センターの青木とレフトのラミレスが追っていったところ、深追いしすぎた青木が
結局ラミレスの邪魔になってしまい、目隠しされた格好のラミレスがボールをグラブに当てて
センター方向に大きくそらしてしまう。
記録的には二塁打となって、2人のランナーが生還し、幸先良くジャイアンツは2点をもらう。
しかしその裏、2アウト2塁でラミレスのセンター前への低いライナー。
センターの鈴木が突っ込んできたものの、わずかに届かずワンバウンド。
と思ったその時、昼間降った大量の雨を吸い込んだ人工芝がボールをスリップさせ、
勢いがついて、回転の変わった打球に鈴木は対応できず、ノータッチで後ろにそらしてしまう。
1点返されなお3塁。続く宮出のタイムリー内野安打であっさり同点に追いつかれる。

その後3回に5連打で4点、4回に李のタイムリー二塁打で1点を追加し、
7-2とジャイアンツが大量リード。
これで試合の流れは決まったかと思う観衆の気持ちをあっさりと裏切ってくれたのが、
試合が始まってすでに2時間が経過した4回の裏のヤクルトの攻撃だった。
ノーアウト1塁で2番リグスの打球はセカンド正面のゴロ。
ゲッツーだっ!と誰もが思ったはずだが、セカンド脇谷とベースカバーに入った
ショートニ岡の呼吸が合わずに、送球がレフト方向にそれる悪送球。
1塁ランナーの青木は3塁を狙う。ボールはサードの小久保がバックアップ。
信じられないことが起こったのはこの後だった。
小久保がボールを取りに行き3塁ベースががら空きになる。
あわてて、ピッチャーのパウエルがベースカバーに入ろうとするが、
その時にはすでに小久保が誰もいない3塁ベースめがけて送球した後。
もちろんパウエルが反応できるはずもなく、ボールはホーム方向へ転々。
これを見てバッターランナーのリグスまでが2塁を陥れる。
これで収集がつかなくなったパウエル瞬間湯沸かし器がヤクルト打線に火をつけ、
2番手の野間口が油を注いでしまい、この回一挙7失点。

この後は淡々と回を重ねるだけで、これといった見せ場もなく、
巨人打線はフォアボールのランナーを1人出しただけ。
5回以降はすべて3人ずつで攻撃を終え、
巨人はヤクルトとのゲーム差を5.5に広げられてしまった。

こんな戦いがあと10試合続く。
                                         上野智広
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投稿者 文化放送スポーツ部 : 23:02

2006年09月26日

15歳

9月24日
この日の練習後、台湾から来た15歳・リン・イーハウ選手の入団発表が行われました。
育成選手としての入団で、これからじっくりと育てていくことになります。リン選手は日本で
通信教育で高校卒業の資格獲得を目指しつつ、プロとしての道を歩んでいきます。
リン投手は『努力して頑張りたいです』と抱負を語りましたが、まだ15歳、十分あどけなさが
残る表情でした。ここかだどれだけ逞しくなっていくのか、楽しみにしていきたいと思います。
ちなみに試合は、台湾の先輩、ジャン・チェンミン投手が10安打を打たれて初黒星。
故郷の後輩の前で雄姿、とはいきませんでしたが、ジャン投手もまだまだこれからの存在。
2人とも本当に楽しみです。
                                                高橋将市

投稿者 文化放送スポーツ部 : 16:08

ジャイアンツ球場にて

9月22日
昨日、今日と試合がなかったジャイアンツは、ジャイアンツ球場で練習を行いました。
今日は昨日よりも若干軽めの練習。報道陣がそれぞれの選手の帰りを待ち受けていると、
出て来たのは小久保選手と工藤投手の二人。室内練習場付近にいたファンの方は
『サインくださーい!!』のコール。それに二人はしっかりと応じていました。
『さっき下でやったでしょ』と言いつつも、その顔はもちろん笑顔。
丁寧に応じていました。練習で疲れている中で、ファンの方に対してもしっかりと対応する。
「当たり前のことじゃないか」と思うかもしれませんが、なかなかできないことだと思います。
この日は曇り空ながら、湿気のあまりない秋の爽やかな空気。
この光景にもそんな爽やかさを感じた一瞬でした。
                                               高橋将市

投稿者 文化放送スポーツ部 : 15:56

2006年09月24日

ここはどこ?

去年も見たことがない光景だった。
東京ドームの左半分が黄色い。いや、そればかりが阪神の攻撃の時には
1塁側内野スタンドでもメガホンが揺れる。
神宮や横浜スタジアムでは甲子園がそのままやってきたような
阪神ファンによる球場ジャックは見慣れた光景になってきたが、
まさか東京ドームまで、熱い阪神ファンの支配下に収まろうとは・・・・。
かつて、「東京ドームのチケットは取りにくいから、関東の阪神ファンは
神宮や横浜に集まるんだ」という話しを聞いたことがある。
ということは、それだけ東京ドームの、巨人戦のチケットがプラチナチケットでは
なくなってしまったと言うことなのか・・・・。

いや、そんな理屈はどうでもいい。
生まれて初めて後楽園球場でV9真っ最中のジャイアンツを初めて見たときの興奮とときめき。
30年以上たった今も忘れられないあの感覚は、スポーツアナウンサーとなって15年たった今も、
間違いなく自分の原風景になっている。
東京ドームになっても、自分にとってはある種の聖地であり、
1歩足を踏み入れるときには、常に、他の球場とは何か違う緊張感というか、
心の揺さぶりを思い出させてくれる場所が・・・、
変わってしまった。
                                                上野智広

投稿者 文化放送スポーツ部 : 23:40

2006年09月16日

時の運

久しぶりに実況した巨人戦(10日)はしゃべっていてとても爽快な投手戦だった。
右肘痛から2週間ぶりの登板となった巨人上原と、
不調のため1ヶ月ぶりの登板となった藤井の先発。

試合前はどんな試合になるかと思ったし、
本人たちも不安が無かったわけではないだろう。
ところが1回の表を高橋由のファインプレーで切り抜けた上原が
2回以降はリズムに乗る。
完ぺきという内容ではなかったものの、テンポの良さと、
阿部との行きのあったコンビネーションで
ヤクルト打線に的を絞らせない。

一方の藤井も、よみがえったストレートと緩急自在の変化球、
そして何よりもコントロールの良さで、巨人打線に付け入る隙を与えない。
あっという間に試合は終盤に入る。
藤井のたった球の失投、そしてそれを逃さなかった二岡の間の良さが
決勝ホームランを生んだ。

昔の人は出陣の時に「武運」を祈ったという。
「勝敗は時の運」とも言う。
この試合ほど、それをわかりやすく表現してくれた試合はないだろう。
試合内容、ゲーム展開、ゲーム運び、すべてにおいて、
両チームの間に違いはなかった。
たまたま(と言っては語弊があるかもしれないが)あのタイミングで失投が出て、
それがスタンドまで飛んでいった。
ただそれだけのこと。

1勝の重さと、野球のおもしろさ、勝負の無情さが詰まったプロ野球らしい3位争いだった。

                                            上野智広

投稿者 文化放送スポーツ部 : 16:55

2006年09月10日

上原&由伸

この日、100勝を達成した上原投手と1000試合出場の高橋由伸選手の
ダブル表彰式が行われました。ご存知の方も多いと思いますが、
二人は生年月日が全く一緒の1975年4月3日生まれ。血液型も同じB型。
ですから、よく上原投手は「占いなんかも、同じ運勢になる。」と笑ってます。

二人の出会いは学生時代、全日本のメンバーに選ばれた時。
当時、高橋由伸選手は慶応のスラッガーとしてかなり有名。
一方の上原投手はまだ全国的には知られてなかったといいます。
それだけに、最初は「あぁ、こいつがタカハシかぁ」と思ってしまったそうですが、
すぐに「全然ふつうやなぁ」と感じ、仲良くなったといいます。
結婚するまでは毎年、誕生日会をしていた二人。
節目の表彰まで一緒なのも何かの縁なのかもしれませんね。
いつか200勝と2000本安打の表彰を並んで受ける二人を見たいと思いました。
                                          
                                           飯塚治

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投稿者 文化放送スポーツ部 : 15:20

2006年09月04日

シンデレラボーイ

優勝へとひた走る中日を止めたジャン・チェン・ミン投手。
しかも、完封シャットアウト勝ち。これには原監督も喜びを通りこして、
驚きの表情でした。

聞けば、まだ台湾の大学に籍があるとのこと。
近藤ヘッドコーチも「そうらしいね。台湾に戻ったら、大学に行くというじゃない。
まじめなんだね―。」と感心しきり。

とにかく、急に生まれたシンデレラボーイに首脳陣も
いやはやといった様子なのです。
これは、チームメートも同じ。キャッチボールを一緒にしている豊田投手も
ジャンのボールの切れにやるなぁな表情。
一回り以上歳の離れた球界を代表する守護神に、やるなぁと思わせるジャン投手は
タダではありません。でも、練習前に先輩達のペットボトルを胸一杯に抱え、
持ちきれない分はユニフォームの中に入れて懸命に運ぶ姿はかわいい後輩そのもの。
21才の若者が、驚きの存在から、チームに無くてはならない、
絶対的な存在になる日も近いかもしれませんね.
                                           飯塚治

投稿者 文化放送スポーツ部 : 17:00

お弁当の思い出

(9月2日)
名古屋に来ました。
終わり良ければを目指してジャイアンツは9月の戦いに入りましたが、
名古屋で思い出すのが、ナゴヤ球場での名物だったお弁当。
ゲーム一時間程前に出前にて届けてくれるものでした。
これが、抜群に美味しく、報道陣にべらぼうに人気がありました。

中身は少しも贅沢ではなく至ってシンプル。
ごはんに、玉子焼きに、鮭とお新香、そして冷奴。これだけでした。
でも、おいしかったです。アツアツのゴハンに少し甘い玉子焼き、
大きなキュウリとナスのお新香、塩加減の良い鮭、ネギののった冷奴。
初めて目にした時は???
でも、素朴な美味しさにナゴヤ球場でのジャイアンツ戦出張が楽しみになりました。
あの味をもう一度と思いながら、あの頃のジャイアンツは強く、
ドラマチックで輝いていたのにと思ってしまいました。

あの素晴らしい味をもう一度、あの素晴らしいジャイアンツをもう一度(>_<)
ナゴヤ球場で決めた10・08、メークドラマと言われた優勝から、
もう10年なのですね。。。
                                          飯塚治

投稿者 文化放送スポーツ部 : 10:56