2010年06月23日
日本の匠
ゲスト:筆づくりの匠 亀井正文さん
亀井正文(かめい まさふみ)は、東京都生まれの60歳。昭和51年より、師匠であるお父様の亀井清さんに師事され、4代目として筆作りの世界に入られました。
材料の毛の選別から仕上げに至るまで、すべて一人で作業を行われています。顧客はプロの書家、書道愛好家、絵師などの職人まで様々。扱う筆も書道用の筆や人形作りに使用する工芸用の筆など1000種類以上に及ぶそうです。平成11には、東京都知事より、伝統工芸士に認定されています。
亀井さんの作る江戸筆は、軸の際まで鋒先を下ろして使う『さばき筆』で、使用されるのはヒツジや馬、ミンクなど動物の毛です。
柔らかさや腰の強さなど、それぞれに特色があり、作る筆によって幾種類かを配合して筆を作るそうです。例えばヒツジの毛は柔軟で墨の含みがよく、馬は腰が強いので勢いのある文字を書くのに適しているそうです。
また、筆作りには、「下ごしらえ」と呼ばれる下準備があり、動物の毛を「油抜き」していくそうです。『毛もみ』という行程では、もみ殻を燃やした灰をまぶし、力をかけてゴシゴシともんでいき、念入りに脂肪分を抜き、さらに筆の鋒先に適した材料に仕上げてゆくそうです。
なんと、1本の筆が完成まで10年かかることもあるそうです。
写真の左は、息子さん(五代目)の暁央さんです。
投稿者 ごぜんさまスタッフ : 2010年06月23日 12:08