2009年09月02日
日本の匠
ゲスト:刃物鍛冶の匠 左久作 池上喜幸さん
刃物鍛冶の匠、左久作(ひだり ひささく)三代目、池上喜幸(のぶゆき)さんは、東京都中央区月島生まれの54歳です。
昭和54年に勤務していた商社を退社され、左久作の2代目であるお父様、池上喬庸(たかのぶ)さんに弟子入りされます。以来「江戸鍛冶」の親子鷹としてご活躍されてきましたが、昨年、お父様が他界。池上さんが三代目として伝統を受け継いでいます。
そんな池上さんが手がけているのは、おもに『小刀』。宮大工や家具職人、楽器職人などが使う特別なノミ、カンナなどを昔ながらの手作りで作り続けています。
写真にもある真ん中だけに刃が着いている細い小刀は「諸刃(もろは)」と呼ばれ、バイオリン職人が使う小刀。バイオリンの弦が通るところに「こま」と言う部分があって、その削り具合の良し悪しで音色が変わる重要な所で、バイオリン職人は「こま」を削るだけのために、この「諸刃」を使うそうです。
また、材料となる「和鉄」は、江戸時代でも幕末以前、鎌倉時代か
らあった鉄のことです。この和鉄を扱うのは難しく、大正時代から
代々使っていることもあり、左久作の和鉄を在庫量は、日本一だそ
うです。
投稿者 ごぜんさまスタッフ : 2009年09月02日 14:10