『風鈴』
『風鈴』を作ってきました。
84歳(自身は85は行ってると言い張る)の
親方が現れ、語り始める。
「いつ風鈴を作り始めたのか」
「どんなキッカケなのか」などを
親方から聞き出す。
「72年前だね」
親方が口を開く。
「ふむふむ・・・」
親方は話し好き、しかしなかなか核心に迫らない。
ターザン映画を見て、アフリカ人にYシャツを売ろうと思って、
英語を勉強したんだ。
ところが、アフリカはフランス語だっていうじゃないか。
・・・それが最初の挫折だったねぇ・・・
・・・?・・・?
え?
「え~と、それで・・・風鈴を?」
「いや、戦争が始まっちゃってね・・・
(中略)・・・で、終戦で日本帰ってきたら、
一面焼け野原じゃねぇか。こりゃいかんと思ってね」
「それで、風鈴を作って人々の心を癒そうと?」
「いや、もう一回中国に渡ったよ」
「はあ・・・」
「そしたら北京でさぁ」
「風鈴の極意を学んだんですか?」
「毛沢東とドンパチになったから、
こんな所で死んじゃいらんねえってんで、
急いで日本に帰ってきたわけよ!」
ふ~む・・・
・・・その話いらないでしょ!!
その後も、イモ売って闇市で儲けた話、
進駐軍の人たちと渡り合った武勇伝・・・
次々と波乱万丈なエピソードが出てくるが、
一向に風鈴の話にならない。
「あの・・・それで・・・風鈴はいつから・・・?」
「ああ・・・ずっと作ってたよ」(つまんなそうに)
「親父も作ってたからね」
なんだったんだ、これまでの話は!?(笑)
そんな親方の匠の技は本当に凄い。
熱く熱したガラスを、ふーっと吹き、
何度やっても同じ形、同じ大きさ、
同じ薄さのガラスの球体が生まれる。
無駄な動き、力、段取りは一つもない。
飄々と、淡々と仕事をされる。
その親方を、TVの取材クルーと取り合うように取材。
「もう一回お願いします。」と、TVクルー。
国宝級の匠の技を何度もやらせてんじゃねーよ!
もったいねーだろ!!
よーし・・・!
「オレにやらせてください」
なぜか清水がガラスを膨らますことに・・・
「ああ!」
「ウワ!」
「しまった!」
たちまち辺りは失敗作や、それ以前のガラスの
残骸で埋め尽くされる。
「こういうムダを繰り返して、
職人が出来上がるんですよねぇ・・・」
自分の拙さを正当化する清水。
お前の方だろ、ムダ遣いは!!
悔しがり、頭をかきむしるオレに、
番頭格のお弟子さんが一言。
「いつもラジオ聞いてるけど、清水さん。
誰もアンタに上手くやってくれるなんて
思っちゃいねえよ、大丈夫。」
「・・・(嬉。そして涙)・・・ありがとうございます。
ゆっくり成長していきます。」
「でも、ガラスがもったいないから、
今日はこの辺で・・・」
「・・・(悲。そして涙)」
・・・風鈴は一日にして成らず。
日比谷野音で、清水の作った風鈴をプレゼントします。
放送のとき、持ってくるのを忘れたので・・・
今、音色を書きます。
・・・チリン・・・チリン・・・チリチリリン。
どうです?
いい音色でしょ(笑)
清水宏の日比谷野音ソロコメディライブ。
いよいよ来週金曜日、8月7日夜7時から!!
風鈴希望の方は、終演後、楽屋口にいらしてください。
カミングス~ン!!
(by 清水宏)
今回、清水宏がお世話になりましたのは、
江戸川区にあります『篠原風鈴本舗』さんです。
『篠原風鈴本舗』さんの詳細は、こちらのホームページをご覧ください。
※清水宏ライブ情報
『清水宏の炎の演劇部!!~夏だ!野音だ!しみんぐ スーン!~』
【日時】2009年8月7日(金) 開演19時(受付開始15時/入場18時)
【会場】日比谷公園野外大音楽堂
【作/演出】清水宏・倉増啓
【出演】清水宏
【料金】前売・当日共に 2,000円 (税込・自由席/整理番号付き)
【チケット取扱】
・ちけっとぽーと/03-5403-3330(月~金 10:00~19:00)
・ローソンチケット/0570-084-003(Lコード:36145)
・チケットぴあ/0570-02-9999 (Pコード:396-617)
・イープラス/http://eplus.jp/
【後援】文化放送
【主催】清水宏
【問合せ】TWIN-BEAT TEL 03-3325-7576(平日11時~17時)
【公式HP】http://www.d9.dion.ne.jp/~shimi-h/ (ブログ随時更新中)
なお、ライブの内容に関する詳細は、随時発表していきます。
今年の夏も野音で清水宏が大暴れするぜー!!
投稿者 ごぜんさまスタッフ : 2009年07月30日 12:47