『芸者遊び』
今回、いよいよ『芸者遊び』に行ってきました。
一度やってみたかった『芸者遊び』。
演劇やってる限り無理だろうと思っていたが、
このコーナーは、「毎週清水が様々なアミューズメントを見聞きし、
体験してきて、その顛末をレポートする」という内容なんだから、
堂々とやっていいのだ。(いいんだよね?)
芸者さんを呼んでお座敷で遊ぶってのも、
少人数でやるとお金がかかるってんで、
そういうサークルがありまして、
20人くらいで一人一人の負担を軽くしちゃう、
なんて方法があります。(なぜか敬語)
何しろ緊張するんだな、そういう敷居の高い場所は。
芸者さんとやってみたいこと。
たくさんある。
帯をくるくる解いていって、「あ~れ~」とか、
目隠しして「鬼さんこちら」「どこじゃ~歌奴、どこじゃ~」と、
スケベに追っかける・・・etc
要するに、時代劇の見すぎ、子供の夢だ。
それの何が悪い!
芸者遊びは男の夢なのである。
もう、あれです。
ドキドキするんだよね、料亭の玄関。
古い造りで、石畳の土間が奥までずっと続いてて、
上がりかまちに着物姿の仲居さんのシルエットが4つ。
4人でお迎えされても困るよ。
そんなに偉くないよ、オレ。
「どうぞ、おあがんなさい」
「なさい」だって・・・
「ハ、ハイ・・・」
なにかしこまってるんだ。
もみ手に薄ら笑い、頭カキカキって、
御用聞きかオレは。
しっかりしろ、毅然としろ、オレ。
よーく遊ぶぞ。
そんなに力むこと自体、遊びじゃないんだが、
気後れしては負けだ。
勝ち負けじゃないけど。
ないけどさ。
気負ったまま部屋に入ると、20人のツアーのメンバー、
4分の3が女性、オバさまなのだ。
「あれあれ、想定と違うぞ」と思っていると、
「自己紹介と抱負を、一人ずつお願いします」
なぜかのスピーチ。
オバさま達が意気揚々と、口々に、
「江戸文化の粋を・・・」
「日本の古き良き・・・」
「素晴らしいものは誰かが後世に・・・」
え?
『芸者遊び』って、そんなに高尚なものなの?
で、オレの番。
正直に言いました。
「スケベな顔して“どこじゃ~どこじゃ~”
ってやりたいです」
更に失笑。
43にもなって、本気のバカ?的空気。
居場所の無さに、無闇に酒がすすむ。
既に、ホロ酔い状態。
「まもなく、芸者さん達入りまあす」
ドキドキしてきた。
どうしよう。
「すみません。拍手したり、ワーって迎えた方がいいですか?」
すると、オバさま達。
「なに浮き足立ってるの。もっと普通にしていいのよ」
そうか・・・そういうものか・・・
「芸者さん入りまあす!」
「キャー!キャー!!」
大きな声。
お前だろ、浮き足立ってんのは。
でも、もうその流れに巻き込まれて、
溺れそうになってるオレ。
4人の芸者さんと一人の太鼓持ちを
20数人で奪い合い。
オバさまに負けるものかと、
大声で芸者さんにサービス。
「何飲みます?剣菱?
あ、大丈夫。オレが持ってきます」
それ、芸者さんの仕事だろ。
逆だろ。
太鼓持ちをヨイショする。
「いや~、いい声ですね、ええ。
着物が似合うし、立ち姿がキレイですな。
ええ、ええ。よっ、日本一」
それ太鼓持ちの仕事だろ。
逆でしょ。
注ぎつ、注がれつ、結局オバさまもオレも、
すすめ上手な芸者さんのおかげで、
いつしかベロンベロン。
これって粋な遊びなのか。
これって本当に『芸者遊び』なのか。
オバさまの圧力に完全に出遅れるオレ。
何とか元をとろうと、オバさまのお椀から
“えびしんじょ”をつまみ食う清水。
とても大人とは思えない、ゲリラ攻撃。
果たして、清水は念願の「どこじゃ~」
を実現することが出来るのか。
・・・カミングス~ン
(by 清水)
投稿者 ごぜんさまスタッフ : 2009年02月05日 12:09