今回は『将棋』
新宿は歌舞伎町の『将棋クラブ』に行ってきました。
ちなみに、俺の将棋の腕は・・・
動かし方は分かっているぜ・・・
そういう、頼もしいレベルだ。
そんな毛が生え始めたばかりのひよっ子が、
暇さえあれば指しに来る、いわば将棋の虫ともいえる、
ベテラン達に混じる。
受付で名前を登録して、空いているイスに座って待つ。
「清水宏さん。吉田わたるさん(仮名)。」
名前を呼ばれて、見ず知らずの“おやっさん”と、
盤の前で向き合う。
「殆ど初心者です。よろしくお願いします。」
「オレも“ヘボ”だよ。“ヘボ”」
謙遜だ。というか、嘘だ。大体は“ヘボ”じゃない・・・
暇さえあればやってるんだから・・・
そうでしょ。
少なくとも、オレよりヘボってことないでしょ。
そうでしょ。
二手、三手指せば、大体相手の力量が分かる・・・らしい。
最初は集中していた、相手のオジサンも、
だんだんこの勝負に、オレに関心が無くなってくる。
簡単に勝てる相手とやっても面白くないし、
勉強にならないからだ。
よそ見をし始める。
隣の盤をチラチラ見る。
しまいには、ガン見。
目の前のオレなんか、いないも同然。
文字通り、「眼中に無い」状態。
無関心でいられることって、とてもツライよね(泣)
オジサンを振り向かせたい、なんとかして。
「よーし、目にもの見せてやる!」
でも、“見せるもの”が無い。
オレには無い。
急に「王」の前に「歩」を打ってみる。
「奇手」どころじゃない、「駄手」「愚手」「無手」「腐手」だ。
「?・・・?・・・!?・・・」
オジサンが一瞬だけ固まる。
あまりのことに、どう受け取っていいか分からない、
そういう状態だ。
しばらく考えて、その「歩」をおもむろに取るオジサン。
そう、何のウラもないよ。
考えることもない。
何にも無いんだから、オレには(悔)
あと、ツライのが、もう負けだと分かってて、
あと何手かで詰むはずなのに、
勝負から降りることを許してくれないオジサンがいることだ。
「まだ、逃げられるよ」
いいよ、もう。
「四3金、同じように銀、そんで王様がこっち、
角がきいてるから・・・って、これオジサンの詰め将棋だろ、コレ」
さっさと殺してくれよ、もう。
虚ろな死んだ目で、次々と黒星を重ねる清水に、
ある転機が訪れた。
「惜しいな、今の勝てたよ、兄ちゃん」
「!!!」
なにい!
・・・・・・・・
よーし、やってやる。
こうなったら、勝てるまでやってやる。
「待った!・・・待ったあ!!」
もっともマナーの悪い「待った」を乱用。
一度負けた相手に、「もう一丁!もう一丁おお!!」
しつこく食い下がる清水。
エンドレスの対戦地獄。
果たして清水の、そして不幸にも清水につかまってしまった、
Fさんの運命は!?
カミングスーン
(by清水)
投稿者 ごぜんさまスタッフ : 2008年12月18日 12:07