2008年09月10日
日本の匠
ゲスト:手ぬぐいの匠 川上千尋さん
川上千尋(かわかみ ちひろ)さんは、台東区浅草生まれの58歳。
お父様である先代の川上桂司(かわかみ けいじ)さんが浅草に創業された染め絵手ぬぐいの専門店「ふじ屋」の2代目ご主人です。
江戸の伝統を受け継ぐ図柄からオリジナルデザインまで、数多くの粋な手ぬぐいを作り続け、台東区の優秀技能者としても認定されています。
手ぬぐいが登場したのは江戸時代。それまでの手ぬぐいといえば、繋ぎ模様の反物をかついだ布売りが、客の求めに応じて切り売りしていたモノ。それを最初から1枚1枚切り離してしまった発想と、目にしたこともない数々の斬新なデザインに、江戸っ子たちは目を剥いたそうです。
手ぬぐいは染物だから、織物のタオルと違って風呂だけではなく、江戸の昔からかぶり物など、さまざまな場面で使われてきました。また、歌舞伎役者の家紋の入った手ぬぐいは、当時の庶民の憧れだったそうです。
川上さんは、この夏、親子3代の展覧会を開きました。
先代の桂司さん、千尋さん、そして、今回絵師としてデビューした息子の正洋(まさひろ)さんの作品を合わせた親子三代展。
先代も展覧会を楽しみにされていましたが、昨年11月に89歳で惜しくも亡くなられました。
写真でご紹介するのは、川上さん作の手ぬぐい。
邦丸さんがもっているのは、江戸の伝統、鯨の目のデザインで「めぐじら」、川上さんがもっているのは、16歳のときの作品「キセル」です。
投稿者 ごぜんさまスタッフ : 2008年09月10日 11:56