2006年12月28日
12月28日(木) くにまる音楽温泉
◇本日のお言葉◇
「酒が敵(かたき)であったわいなア。」 近松門左衛門
近松門左衛門の名作で、「三大姦通もの」と呼ばれる、今風に言えば「不倫」を描いた悲劇の傑作、「堀川 波の鼓」に登場する有名な台詞です。
鳥取藩士の彦九郎とお種は、幼なじみからそのまま夫婦になった、仲睦まじいカップル。二人はとても幸せに暮らしていました。ところが、武士には「参勤交替」があります。江戸詰の間は、夫婦離れ離れで暮らさなければなりません。当然、奥さんの寂しさは募る。ある日、この奥さんが夫の同僚に言い寄られる。
その様子を、鼓のお師匠さんに聞かれてしまった。もちろん、言い寄られただけで何もなかったのですが、奥さんとしては、なんとなくバツが悪い。「誰にも言わないでくださいね…」と、鼓のお師匠さんにお酒を勧める。奥さん、自分も嫌いな方ではないのでクイクイと、酔いが回るにつれ、一人暮らしの寂しさもあって、ついつい一夜の過ちを犯してしまいます。
今ならよくある話…と言えるかもしれませんが、当時は「不義密通」は大きな罪、結局奥さんはこの一件が夫に露見し、夫の手で殺されてしまうという悲劇が起きるのですが、そんな奥さんが取り返しのつかないことをしてしまった…と嘆くセリフです。
◇本日の曲◇
「酒と泪と男と女/河島英五」
河島英五の「酒と泪と男と女」は、お酒を歌った名曲中の名曲です。
投稿者 joqr : 2006年12月28日 12:00