2006年12月12日
12月12日(火) くにまる音楽温泉
◇本日のお言葉◇
「男と女が肌と肌を触れ合い、快楽と陶酔をともにしても、
二人の人間がしんじついっしょになることはない」 山本周五郎
山本周五郎の芸道小説「虚空遍歴」に登場する言葉です。この作品は、旗本の次男に生まれた男が、何気なく作った端唄(当時の流行歌のようなもの)が大ヒットしてしまったことで、自分のすべてを賭け、本格的な浄瑠璃に取り組んでいくようになるというお話。
この作品は実は、アメリカの作曲家で、「おおスザンナ」や「草競馬」で知られる、スティーヴン・フォスターの生涯に触発されて書き上げたものなのだそうです。そんなことを念頭に置いて読むと、また違った面白さが味わえるかも知れません。
さて、この言葉ですが、主人公の旗本の次男が、妻が初めて体の悦びを知った後に、しみじみ思った感慨。女性の方も、もちろん、同じような事を思われるのかもしれませんが、男性としては、本当に、うんうん…と強く頷かされる言葉ではないでしょうか。同じようなことを歌っている有名な歌に、あの野坂昭如さんが歌った「黒の舟歌」…「男と女のあいだには 深くて暗い河がある…」という、あの有名なフレーズがあります。
◇本日の曲◇
「アローン・アゲイン/ギルバート・オサリバン」
ギルバート・オサリバンの「アローン・アゲイン」は、1972年(昭和47年)の世界的大ヒットです。
投稿者 joqr : 2006年12月12日 12:00