2006年12月11日
12月11日(月) くにまる音楽温泉
◇本日のお言葉◇
「人間のすることに、
いちいちわけがなくっちゃならない、ってことはないんじゃないか」 山本周五郎
山本周五郎の名作中の名作「さぶ」に登場する一節。この作品は何度もテレビドラマや映画化されていますから、ご存じの方もたくさんいらっしゃることでしょう。経師屋に住み込みで働く若い二人の職人、栄二とさぶの友情と成長を描く清々しい物語です。
二枚目で頭も切れる栄二と、見かけはぱっとしないが正直で善良なさぶ。二人は大の親友で、栄二は何かとさぶを庇い、世話を焼いていたのですが、ある時、栄二が無実の罪で石川島の人足寄場に送られてしまいます。辛い日々の中、ひたすら自分を陥れた者への復讐を思い、性格もねじくれてしまう栄二。しかし、さぶは、親友を心から思い続け、その立ち直りに手を貸そうとするのでした…というお話です。
人が信じられなくなってしまった栄二は、「どうしてそんなにいろんな人が、俺のことを心配するんだ?」と言います。すると、さぶが答えたのが、このことば。
「人間のすることに、いちいちわけがなくっちゃならない、ってことはないんじゃないか。
お互い人間ても のは、どうしてそんなことをしたのか、自分でもわからないようなことをするとき
があるんじゃないだろうか」
この友情がジーンと栄二の心に染みていくのです。
◇本日の曲◇
「男どうし/杉田二郎」
1975年(昭和50年)、杉田二郎の「男どうし」は、友情を歌ったこのヒット曲です。
投稿者 joqr : 2006年12月11日 12:00