2006年12月01日
12月1日(金) くにまる音楽温泉
◇本日のお言葉◇
「世の中に無神経ほど強い物はない。」 勝海舟
これは非常にわかりやすい言葉です。あまりデリカシーをもたない人間に、普通に気を遣う人間が、どれほど疲れさせられるか。結局、無神経な奴にはかなわない…と、酒を飲みながらグチをこぼす、よくあることです。
ところが面白いのは、勝海舟は、この言葉をどちらかといえば肯定的に使っていること。
あたりを飛んでいるトンボを例に出して、「尻尾を切って放しても、平気で飛んで行くではないか。俺などもまあトンボぐらいのところだ」と言い、さらに、「むやみに神経を使ってやたら世間の事を気にして、朝から晩まで頼みもしないことに奔走し、そのため頭がはげたり髪が白くなったりして、もうろくしてしまうような人間にはとてもなれない。」と続けています。
つまり、現在の「無神経」と、当時のニュアンスが少し違って来ているということなのでしょう。あまり細々したことを気に病むな、何事にも余裕を持って当たれ…という、海舟先生の持論を別な形で言い表した言葉です。しかし、それにしても、この短い言葉のもつ迫力は、現在でこそ輝くものではないでしょうか。
◇本日の曲◇
「リッチ・ガール/ダリル・ホール&ジョン・オーツ」
ダリル・ホール&ジョン・オーツの「リッチ・ガール」は、お金持ちの無神経な彼女に、翻弄される悲しい男の歌です。
投稿者 joqr : 2006年12月01日 12:00