2006年11月08日
11月8日(水) くにまる音楽温泉
◇本日のお言葉◇
「理性的な女というのは、針金で突っ張ってある花みたいで阿呆らしい」 円地文子
戦後、華々しい活躍をした女流作家、円地文子。有名な国語学者の娘として生まれ、幼いころから歌舞伎、能狂言などに親しみ、戦後、本格的に作家としてデビュー。とりわけ乳腺炎で乳房を失い、さらに子宮がんで子宮を失った後、女性と「性」との関わりをテーマとした数多くの小説を著し、評価されるようになりました。この言葉も、そんな中の一冊「女面(おんなめん)」に登場するものです。
この本は、亡き夫の母と暮らす美しい未亡人、そして未亡人に求愛する二人の男との関係を、オカルト風味を存分にまぶして描いた名作ですが、「理性的な女は阿呆らしい」…とは、まあ酒の席での男同士の会話に出てくるような言葉で、女性の口から出たとは思えませんよね。正に「女傑」と呼ばれた円地文子の面目躍如、といったところでしょうか…。ちなみに国語学者だった父親は、彼女の前でしみじみ、「お前が男だといいんだがなあ…」と述べたそうです。
◇本日の曲◇
「少女A/中森明菜」
中森明菜の「少女A」は、理性とは対極にある、本能のままに生きる少女を歌った1982年(昭和57年)の衝撃的な大ヒットです。
投稿者 joqr : 2006年11月08日 12:00