2006年11月20日
11月20日(月) くにまる音楽温泉
◇本日のお言葉◇
「ものは捨つるに破れて、用いるに成るものぞとよ」 樋口一葉
明治時代の言葉ですが、これだけではわかりにくいので、少々解説を加えることにします。
「ものは捨つるに破れて…」捨つる…というのは「捨てる」という意味。つまり、何事でも捨ててしまう、あきらめてしまうと、「破れる」、それでダメになってしまう。後半部分の「用いるになるものぞとよ」は、反対に、何事でも使い続ける、つまり努力を続ければいつかは成就するもの、といった意味合いです。
つまり、現代語風に訳していえば、「なんでもあきらめてしまってはそこでおしまい。地道に努力を続ければ、なんとかなるものよ」…という意味になります。現代語にしてしまうと、よくある応援ソングの歌詞のようで、情緒も何もありませんが、一葉の見事な文語文だと、途端に格調高くなるのが不思議。
貧しい暮らしの続く中、なんとか文筆で身を立てようと、必死に努力を続けた樋口一葉は、自分で自分にこの言葉を言い聞かせ、ともすればくじけそうになる気持ちを、奮い立たせていたのかもしれません。
◇本日の曲◇
「SOMEDAY/佐野元春」
1981年夏にリリースされた、佐野元春の「SOMEDAY」は、日本ロック史に輝く名曲です。
投稿者 joqr : 2006年11月20日 12:00