2006年11月01日
11月1日(水) くにまる音楽温泉
◇本日のお言葉◇
「いかに都会を愛するか?
―――過去の多い女を愛するように。」 芥川龍之介
この時間、しばしば名言をご紹介しています、名言の王者ともいうべき芥川龍之介。本当にウマイ、としか言い様のない表現です。この言葉は、1927年(昭和2年)に発表された「都会で」という短いエッセイの中に登場します。このエッセイの中には、こんな一節もあります。ちょっと長くなりますが、ご紹介しておきましょう。
「何かものを考えるのによいのは、カッフェの一番隅のテーブル。
それから孤独を感じるのによいのは、人通りの多い往来の真ん中。
最後に静かさを味わうのによいのは、開幕中の劇場の廊下…」
都会に関する名言には、たとえばルソーの「都市は人類の掃き溜めである」といった言葉のように、都会を否定的にとらえる場合が多いのですが、芥川は、その存在を否定も肯定もせず、独特の魅力を見事に言い表しています。日々、都会暮らしの我々には、本当にしみじみ来ます。
◇本日の曲◇
「恋のダウンタウン/ペチュラ・クラーク」
ペチュラ・クラークの「恋のダウンタウン」は、都会、それも下町の魅力をダイナミックに歌い上げた1965年(昭和40年)の全米ナンバーワン・ヒットです。
投稿者 joqr : 2006年11月01日 12:00