2006年10月06日
10月6日(金) くにまる音楽温泉
◇本日のお言葉◇
「人間は、欲に手足の付いたる物ぞかし」 井原西鶴
現代語にすれば「欲が服を着て歩いてるのが人間だ」、といった感じでしょうか。井原西鶴は、
江戸時代前期の大阪で活躍した俳人で、若い頃からその才能には凄まじいものがあり、まず一晩で1000句を詠むというパフォーマンスに成功。これを興行として人前でやったというのも凄いです。この試みがウケにウケたので、続いて4000、さらには一昼夜で2万5千もの俳句を詠んでしまったこともあるといいますから、尋常ではない。
やがて40代になると、俳句から、文字の数に制限のない、より自由な「小説」の分野へと進出し、名高い「好色一代男」を手始めに、人情や風俗をヴィヴィッドに描いた数多くの作品を生み出しました。格式ばった武家社会に喧嘩を売るかのように、当時は禁じられていたホモセクシュアルを堂々と扱うなど、何事も包み隠さず、ストレートに対象に迫っていく、その驚異的なパワーは正に「大阪人」の面目躍如です。
西鶴は52歳で亡くなっていますから、小説家として活躍したのはわずか10年あまり。その間に「色」や「お金」を中心に、数多くの人間の「欲望」を主題にした作品を残しましたが、この言葉は、そんな西鶴の基本的な哲学を言い表しているように思えます。
◇本日の曲◇
「ささやかな欲望/山口百恵」
山口百恵の「ささやかな欲望」は、1975年(昭和50年)の今頃ヒットしていた曲です。
投稿者 joqr : 2006年10月06日 12:00