2006年10月30日
10月30日(月) くにまる音楽温泉
◇本日のお言葉◇
「書物というものは読んで教えられるし、売ってたすけられる」 室生犀星
読書の秋。折しも神保町では、11月1日まで、年に一度の「古本まつり」開催中です。
この言葉は、室生犀星の自伝的小説「杏っ子」の中に登場しますが、この小説が書かれたのが
1957年、昭和32年…といいますから、ちょうど半世紀ほど前。当時、書物は、現在より、よほど貴重な物だったのでしょう。
室生犀星は1889年(明治22年)生まれ。若い頃は、大変苦労した人物で、金沢藩の元・足軽だった父親と、その家でお手伝いさんをしていた女性の間に生まれ、生後七日目で実母と引き離され、お寺に養子に出されます。養子先の寺では、養母に手ひどい仕打ちを受け、12歳で裁判所の給仕として働き始め、その傍ら、俳句や詩などを作り始め、20歳で裁判所を辞職。
20代は上京して同人誌を発行したり、生活が苦しくなって金沢に戻ったりの繰り返しで、大変な日々が続きました。そんな暮らしの中で本を読むことは最大の喜びであり、また苦しくなるとそれを売って生活費にする。いろいろな意味で本に助けられる生活だったのでしょう。
◇本日の曲◇
「追憶/沢田研二」
「読みかけの本」というフレーズが印象的な沢田研二の「追憶」は、1974年(昭和49年)、
夏から秋にかけての大ヒットです。
投稿者 joqr : 2006年10月30日 12:00