2006年10月03日
10月3日(火) くにまる音楽温泉
◇本日のお言葉◇
「同じ人間なのに、人生の乗車券は特等から十等までぐらいある。」 井上靖
本格的な「格差社会」の到来が囁かれる今、なかなか重みを持った言葉のように思います。
皆さんは自分が特等、一等、二等…十等と数えていって、どのあたりの切符を手にしていると思いますか?
さて、この言葉を理解する上で、明治から戦前、戦後にかけての鉄道料金についてご紹介しておきましょう。名実共に「階級社会」であった戦前の名残として、1960年(昭和35年)まで、鉄道の料金は「一等・二等・三等」の3ランクに分かれていました。現在では、料金の差は座席の差にすぎませんが、かつては運賃そのものにランクがあったのです。
二等の料金は三等の倍、一等はそのさらに倍。現在、東京から新大阪まで新幹線の自由席がおよそ1万3千円ですが、当時の料金体系に当てはめると、二等だと2万6千円、一等だと5万2千円! しかも片道!こうした事情を飲み込んだ上で、この言葉を考えてみると、一層、しみじみ感じられるように思えます。
◇本日の曲◇
「哀愁列車/三橋美智也」
高音が魅力の三橋美智也の「哀愁列車」は、1956年(昭和31年)の大ヒット曲です。
投稿者 joqr : 2006年10月03日 12:02