2006年10月26日
10月26日(木) くにまる音楽温泉
◇本日のお言葉◇
「貧しく正直なりがたし」 平賀源内
18世紀の江戸で活躍した風変わりな天才、平賀源内の言葉。年配の方は、山口崇さんが源内を演じた1971年(昭和46年)から翌年にかけてのNHKドラマ「天下御免」を懐かしく思い出されることでしょう。現代語に直すと、「貧乏人が正直でいるのは難しい」…といった意味になるでしょうか。「正直の頭(こうべ)に神やどる」、たとえ貧乏な暮らしをしていようと、とにかく正直であることだけを心掛けていれば、きっとイイことがある…というコトワザがありますが、源内先生はその正反対、ハヤリ言葉でいえば「マギャク」な警句をポン、と投げかけたわけです。
江戸時代は身分社会、今風に言えば格差社会。お金持ちの支配者サイドとしては、貧乏な方々がこすっからくなるのは困る。できるだけ正直で、素直に生きて欲しい、犯罪など起こさず、社会の底辺をしっかり支えて頂きたい…と、正直でいなさい、と、道徳を奨励するわけです。しかし、それはあちら側の都合であって、やはり、満足に食べられない暮らしでは、なかなか正直でいるのは難しいという本音を述べたのがこの言葉です。
◇本日の曲◇
「オネスティ/ビリー・ジョエル」
正直、それはなんて寂しい言葉なんだと歌い上げる「オネスティ」は、11月に久々の来日公演が行われるビリー・ジョエルの1979年(昭和54年)の大ヒットです。
投稿者 joqr : 2006年10月26日 12:00